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お出かけ

「お嬢様。」


ルマが近づいてくる。授業後の休憩を兼ねてのお茶の時間だ。クッキーの香ばしい香りと、紅茶の香りが鼻をつく。目線を向けるとラマが真面目な顔をしていた。


「どうしたの?そんな真面目な顔をして…。」


ルマが目を伏せる。ゆっくりと口を開いた。


「ご主人様が…、社会勉強のため、お嬢様と街に出かけるようにと。私とお嬢様の2人だけで…。」


ガチャッと、ティーカップを落としそうになる。ルマが間一髪で手を抑えてくれたおかげで零れはしなかった。


「あ、あ、ああのお父様が!?あの過保護で有名なお父様が…!?!?」


ルマが真面目な顔をして頷く。ガチャンと私は勢いよく立ち上がった。


「な、何かの陰謀だわ!!!お父様が!?そんなこと言うわけが無いもの!!ルマと2人だけですって!?なんて喜ばしいことなの!?!

ま、っ、まつのよ、ノア・アルベルト!!」


ガチャンガチャンとテーブルを膝で蹴る。ルマがすました顔をでそれを見つめる。私は自分の心が落ち着くまでそれを続けた。


「はぁ、はぁ、……ルマ…、そ、それは…」


かわいた口の唾を無理やりごくんと飲む。


「本当なのね……っ!?」


「本当にございます。」


がっと、私は両手を振り上げガッツポーズをとる。


(…やったわ!!!お父様は、今までわたくしが何度言っても外には出してくれなかった…っ!危ないだの、危険だの、迷子になって帰れなくなるだの、まだ早いだの、誘拐されるだの……、ごねごね御託を並べて……、やっと18歳になったのにそれでもダメと!!わたくしはずっと我慢してたのよ!やった!やったわ!!!)


「そう!そうと決まればルマ!すぐ準備してちょうだい!!!」


「かしこまりました。お嬢様。」


ルマが落ち着いたようにすんと返した。


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