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幸せと絶望


紙とペンを取り出す。

前世の記憶と言ってと今は断片的で少しおぼろげだった。

でも、できる限りのことを書かなければならない。…死なないために。


(まずは、アリアエルがどう動くかだわ。)


そもそもこのゲームは、最初に攻略対象を選び、その攻略相手だけの好感度をあげることが出来る。そして、エンドまでいき、最初に戻ってまた違う対象にすることが出来るというものだ。

アリアエルがもし、アークを選択したら、アリアエルと最終的には結ばれるわけで。

脳内に彼に彼の姿が浮かぶ。月光が銀の長い束ねた髪を反射し、すっと通った鼻筋、青の軽く釣り上がった瞳。美しい彼が誰か知らない女性を抱きしめる…。

…ちくりと、針に刺されるような感覚がした。


(……しょうがないわよ。生きるためだわ。)


少し深く深呼吸をする。自分が思っている以上に傷がついているようだった。


(でも、やることが見えてきたわ。)


もしアリアエルの攻略対象はアークになったら、私はそれをなんの手出しもせず見守る。フラグが立ちそうなら回避する。……相当大雑把なことだが、今思い出される記憶からはこれしか絞り出せなかった。


(せめて、アークルートの断罪イベントとか、そういうことを思い出せればいいのだけど……。)


なかなか現実は上手くは行かない。

ううん、と眉間にシワを寄せる。指で軽くつまみながら背伸びをした。

色々考えても記憶がもどる訳では無い。しかも、最終断罪イベント、つまり私が殺されるのは今の歳から考えて5年後だ。そこは思い出すことが出来た。暗殺の容疑で、数々の悪事がバレ、周りから問いつめられる。つまり、そのタイムリミットまでになんとかフラグを回避する…、それが大切なのだ。


嵐にしやがれ今やってます。面白い。

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