正しいことを。
(…そろそろ、かしら。)
だんだんと意識が朦朧としてくる。止まない攻撃にどんどん魔力は吸い取られていく。後ろでアリアエルが異変に気づいたらしく、大丈夫ですか!?と、慌てて私の体を支えた。
聞こえずらくなる音の中でルマがお嬢様、お嬢様!と叫んでいるのが聞こえた。
「もういいです、辞めてください!じゃないとあなたが倒れちゃう、!」
アリアエルがぐいぐいと私の服を引っ張る。もういい、やめて、と叫んでいた。
(だめ、解いてはダメ。じゃないとわたくしも彼女もタダじゃ済まない。ルマだって無事に返すことが出来るか分からない。防御膜のレベルを下げてはいけない。同じ魔力を同じ速さで流し続けるの…!)
それに、大丈夫…、わたくしが倒れても、きっと物語通りなら彼が助けてくれる。
(まだ、…彼はここに到着してないようだけれど…。)
がくんと体に力が入らなくなり、ドッと体を地面に打ち付ける。アリアエルが何かを叫んでいたが聞き取れず、意識が消えかかってきていた。
(わ、たくし、死ぬ、かしら。)
朦朧とした意識の中でも魔力を流し続けることはやめない。ひゅんひゅんと鳴る風の音がだんだんと聞き取れなくなっていく。
だんだんと見ている光景が白光りし、ぼやけ、そして、何も見えなくなっていく。
耳元でアリアエルの鈴のような音の叫び声が聞こえる。ルマの叫び声も聞こえた。
瞼が重くなっていく。もう、ダメだと感じた瞬間だった。
世界が真っ暗になる。




