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正しいこと
レンガ造りの花壇のふちに座る。ルマが私の目の前にすっと立った。
なれない靴を履いたせいか、じんじんと足首が痛い。靴を脱ぎながらふうっ、と思わずため息をついてしまう。
「あのっ!!!」
先程聞いたあの鈴のような声が周りに響く。
目を凝らすと人混みの間をかき分けてくる、アリアエルの姿だった。
(な、まだ追いかけてきてたのね…!?)
ぶつかった時なにか落としただろうか。いやその可能性はない。私は特にこれといった持ち物は持ってなかったし、持っていたものは全てここに今ある。
「あのぅっ!!!」
どんどん人混みに揉まれていく。私は視線をスっと外し、何も気づいていないように装った。
きっと関わると余計なことがない。彼とのイベントを早く終えてもらいたい。出来れば私が見ていないところで…。
「あのーーキャァァァ!!」
呼びかけてくる声が悲鳴に変わった瞬間だった。慌てて視線を向けると数人の男がアリアエルを担いでどこかに行こうとしている。
じわりと掌に汗が広がった。始まった。イベントがついに始まってしまった。
イベントが、始まった!




