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お出かけ

「ルマ…わたくしは平民の、いち小娘の、モブの、目立たない、どこにでも居るような普通の女に見えていて?」


「…いいえ、私には女神の如く美しく、高貴なオーラをまとい、しかしどこか厳格な、正しく、どこにもいない特別な人間に見えます。」


ルマがたんたんと答える。


「こっ!こんな時にお世辞はよして!今はわたくしの命に関わる問題でしてよ!?どうしましょう、あぁ、大変だわ……。」


頭をがしがしとかきむしる。そんな私をよそに

ルマがおかしな顔をした。命に関わる問題?お世辞?と。ひとりでに慌てる私をじっと見て、命に関わることは私が守ると決めました。と言ったが、私の耳には入っていなかった。


(落ち着いて、…大丈夫よ。)


もし、ここでアリアエルと出くわしたり、アークと出くわしたりしたらどうなる?

…変装をしているから私が公爵家の人間だとは分からないだろうか?…メイクはしていないが顔立ちを覚えられていたりしたら危ないだろう。


(………いえ、それは大丈夫よ。)


しんと、興奮した心が収まる。

誕生日パーティーの時、アークとは一度も目をあってはいないし、そもそも王子のパーティーだ。平民のアリアエルの姿を見た訳では無い。


(…彼が、わたくしを覚えている訳ないじゃない。)


だらんと、腕が下がる。ちくちくちく針が刺さる。しょうがないのだ。こんなことでダメージを負っている場合ではない。

…まずは、極力目立たないように。まあ、変装をしているから目立たないとは思う。それは大丈夫のようだ。

念の為、彼と彼女に会わないようにしなければ…。


「…死にたくなんて、ないもの。」


騒がしい周りとは反対にぽつりと寂しい声が漏れる。

ルマが心配そうに顔を覗き込んできた。


「…お嬢様、どうかなさいましたか?」


きゅっと、唇の端を固く結び無理やり笑顔を作る。


「大丈夫よ!さあ、お買い物しましょう!」


声が少し震えてしまっただろうか。気まずくて、ルマの表情を見れない。足元だけを見て、ずんずんと先を歩き始めた。

ノアは一応美人設定なんだけど、伝わるかな…

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