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短編

目が覚めたらラスボスと戦ってました ~Gゴッデスに呪われた女勇者~

作者: 狩野生得

シリアスっぽく書いてみました。

 オフの日の朝のベッドで寝ているような心地よさ。

 そんな感覚に包まれ、私は目覚めた。


「サクラ! あとは任せた! うおりゃーーー!!」


 フラグっぽい雄叫おたけびを残し、大剣を振りかぶった大柄おおがらの戦士が突撃する。

 彼はジェッド。剣聖と言われた最強の男よ。


 相手は魔王バラバラモス。

 鱗粉りんぷんを混ぜた竜巻で相手をバラバラにするの魔王。

 それなりのダメージは受けてるはずだけど、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)。不敵な笑いを浮かべてるわ。


 私の隣にはぐったりしている初老の賢者。

 彼はノストン。最強の魔法の使い手よ。

 そうか、私の蘇生でMPを使い果たしたのね。


 私は立ち上がり、魔王を見据える。


 ……。

 …あれ?


 私はプライベートじゃ干からびて腐りかけてたけど仕事じゃ結果を残しまくってた若手のホープ春風はるかぜ咲良さくら(23歳)じゃなかったかしら?


 なんで魔王のにいるの?

 なんで2人を知ってるの?

 なんで聖剣を持っているの?

 なんで魔王に向かってるの?

 なんで究極奥義の準備ができちゃってるのよぉーーーーーっ!?


「くらえっ! 大切断!」

「闘気を乗せた攻撃か、小賢しい」


 ジェッド渾身こんしんの一撃!

 魔王が余裕を見せつけてかわす!

 一瞬だけど、私から意識がそれた!

 千載一遇のチャンス!


混沌ケイオススラッシュ!」


 私は全力で剣を振る。

 これが私の究極奥義。

 混沌は全ての源。

 私の『斬る』意志が折れない限り、どんなものでも切断する。


「リカレンスー!」


 断末魔を残し、魔王の体は二つになった。

 そして風に吹かれた砂のように、サラサラと飛んで消えていく…。


 全力を出し切った私は、そのまま気を失った…。


  ☆


『ほっほっほ。これで5回終了じゃ。あと25回、頑張って私を楽しませておくれ』


 深淵の闇の中、忌まわしい声が聞こえた。


 性格がねじ曲がった老婆のような声。

 あと25回も、この声を聴くのか…。

 そう思うだけでうんざりする。


 声の主はGゴッデス。

 私に呪いをかけた存在。


 無数にある異世界の中から一つを選び、私を飛ばす。

 飛ばされた先で、私は勇者サクラになる。

 そう、サクラと言う名の女勇者がラスボスと戦ってるところに私を飛ばすの。

 タイミングを合わせたうえに、こうしている間の記憶を消してね。


 前回は死に戻りがある世界だった。

 4回目の挑戦で、私はラスボスを倒せた。

 それと比べたら、今回はマシなのかもね。


 呪われた理由はサッパリわからない。

 会社から帰ってゴミを出す準備をしてたら、いきなりこうなったの。

 理不尽極まりないわ。


 次はいつどこに飛ばされるのかわからない。

 それでも私は戦わなきゃならない。


 30回目が終わったら、何かが変わるかもしれない。

 そう信じるしかないわ。

 でなきゃ、やってられないもの。

 Gゴッデスと対面出来たら、全力でひっぱたいてやるんだから!


 あ、眠くなってきた。

 そうか、新しい世界に飛ばされるんだ…。


 今回は大変でした…。


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― 新着の感想 ―
[良い点] こんな世界いやだー(汗)
2019/03/02 20:04 退会済み
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