第75話※
アメリア痛い痛い回の為、二話連続更新
ダリアに呼ばれアメリアは着替えをし終えると、体が幾分か軽い事に気付いた。
アークの持ってきた薬湯のお陰だろうか。一年もの間、眠っていたのが嘘のように動ける自身の体に苦笑する。
いくら神々による補正が自分にもかかっていようとも、こればかりは今を生きる自分の体だ。苦笑する他ない。
神々が言うようにやはりこの世界は〝ご都合主義の作り物〟なのだ。
判っていたとしても、何度も何度も繰り返し生きては死んできたアメリアだが、生活しているとその感覚も麻痺してくる。
ゲームの設定だからと最初は色々と切り捨ているつもりだった。しかしこの世界は生きていると認識してしまったからこその気持ちの矛盾。困惑。
自分がここの人間で、何も知らないままのキャラクターであれば麻痺していても何ら問題は無かった筈だ。
こんな気持ちを抱く事も繰り返すたびに忘れるのだから、とても気軽とも言えたのかもしれない。
しかして自分は、この物語の重要人物。
神々と約束を交わした身。
強制的にこの世界は〝ゲーム〟なのだと再認識させられる。
都合が良いと言えば一言で終わる。
アメリアは体の傷を確認する。魔法を解けば白い肌に薄っすらと浮かび上がるダリアから受けた傷の数々。
最近は受けていなかったからか、大分薄くはなっているものの、公爵令嬢たる肌に本来あっていい筈の無い傷。
(この傷ともこの周回で見納めですね。これ以上増える事も今後ない……)
目を伏せ再び無言で構築し直し、それをまた――隠した。
(このイベントには起きられて良かったです。本当に最後の周回ですし、お義母様に最大限に仕返し出来る瞬間といえばそうですかね?)
廊下を歩きながらアメリアは過去のダリアとの思い出を振り返る。
どの周回もダリアは自分に対して酷いものだった。
息子のマイクに対しても勿論の事。
それが彼女の役割であり、立ち位置。
表向き完璧な女主人。この周回でも一切の矛盾はない。
神々から見ても大分嫌われている位置であった。
そういう立ち位置がいなければ〝ならなかった〟ただ、それだけで存在している存在。
そしてどの周回でも彼女はそのままであった。
だからとアメリアはダリアの部屋の前で一度目を伏せた。
(今回はお義母様にも退場していただきましょう)
主要キャラクターには近いが、所詮はサブキャラクターのダリア。彼女ならば完全に退場させられるのではないかと考えた。
可哀想だと一言で言ってしまえばそれだけだ。
同情からではない。アメリアは彼女に対し、最大の感謝を持ってもいるのだ。
瞼を持ち上げ一呼吸。
ダリアの部屋の扉をノックする。
「お義母様お待たせいたしました。アメリアです」
「そこで待ちなさい。今行きます」
(おや? お部屋に入るのではないのですね?)
アメリアは一歩下がり、扉の前でダリアを待つ。
しばらくしてダリアは出てきた。目線だけで「ついてこい」と伝えると廊下を進んでいく。
何処に行くのかアメリアも尋ねる事などせず、大人しく彼女の後を追う。
使用人達は二人を見かけ、一礼しまた作業に戻る。
ダリアは使用人達の間では良い母親で女主人なのだ。アメリアがいくら傍若無人であったとしても、彼女が連れているのだからと安心しきっている。
実際はその女主人が、自分の欲の為にアメリアに酷い仕打ちをしているのではあるが……。それを知る人間は今ここにいる使用人の中にはいない。
廊下を進み、あまり来ない屋敷の奥までやってくる。
アメリアも普段なら立ち寄らないところだ。
そこには一枚の扉があった。
ダリアは鍵を取り出し、慣れた手つきで鍵を開ける。
扉を開ければ地下へ続く階段が続く。先は闇で見えない。
ぞくりと背筋に寒気を覚え、表情を作る事もせずアメリアの眉間に皺が寄る。
「お義母様、この先は……」
「知らなくて良い事よ」
地下へ進む階段をダリアは顎で「先に進め」と合図した。アメリアは表情を殺し先に下りていく。ダリアは扉を閉め、鍵をかけてから同じく階段を下っていく。
二人の間に会話などない。
静寂の中、二人の靴の音だけが反響する。
足元に気を付けていないと直ぐに踏み外してしまいそうになるほどに暗い段差。
アメリアは記憶を辿る。
いつの周回かで訪れた事があったとも思うが、毎回ではなかった為、記憶が薄い。
記憶力には自信のあるアメリアだったが、階段を下りきるまで結局思い出す事が出来なかった。
階段を下り、また扉。
どこまで厳重なんだと口に出して言いたいほどに、鉄で出来た重圧の扉が目の前にある。
ここまでかなりの段数を下りてきた。地下である事は確かだが、この扉の先に入ったら外界へ声が届くとは思えない。
前を向いたままダリアがどうするのかアメリアは待った。
ダリアは無言のまま、また鍵を取り出し開錠する。
何故彼女がここの鍵を持っているのか、アメリアは口にはしない。多分そういうものなのだろうとしか考えなかった。
重たい音を響かせながら扉が開いた。
そこでアメリアは思い出す。
(ここはーーーー!!! 屋敷内牢獄ではありませんかーーー!!)
今まで背筋に走っていた悪寒が嘘のように、衝撃よりも歓喜に近い感情がアメリアの内心で爆発した。
何で今まで忘れていたのかと思うくらいの印象深い場所なのだが、忘れていた物は仕方ない。
眉を下げ怖いと怯えるように表情を作り、わざと拒否を示し、止めてくれと首を振ってみせた。まぁ、本人は内心「是非いきましょう!」と言った心持なのだが。
ダリアは怯えるアメリアの腕を掴むと、無理やり中へと押し込んだ。
「きゃ!」
引っ張られ押し込まれれば、鈍りに鈍った体は体重を支え切れず地面に倒れ込む。
埃っぽいそこはアメリアのドレスを容赦なく汚した。
ダリアは気にする事もなく、壁のスイッチを押す。魔道具は小さな構築を開始し、室内が淡く僅かに明るくなった。
少ない照明で僅かに照らされた狭い室内。
手前には椅子と机が一脚。奥には屋敷内牢獄の名に相応しい扉の開いた檻。檻の中は何もなく、ただ天井に何か金具と、奥の壁に人を張り付ける為にあるであろう拘束具の金具が光に反射して見えた。
(すっかり忘れてましたが、何というスタンダードお仕置き部屋! 流石公爵家!)
この状況で興奮しているアメリアはやはり鋼鉄の精神と魂を持っていると言えるであろう。スタンダードではないお仕置き部屋を知っているかと問われれば、アメリアは既に99回繰り返していると答えておこう。
アメリアが檻に目がいっていると、後方で入ってきた扉が重く閉まった音がした。
「何をしているの、さっさと立って入りなさい」
冷たく言い放たれる言葉。これではまるで罪人ではないか。
そこまでの仕打ちを受ける必要があるのか。
普通の令嬢であればショックを受けてしまうだろう。
しかしこの公爵令嬢アメリアは、やはりそうではなかった。
(はいお義母様! 分かりましたとも!!!)
内心、意気揚々と元気よく手を上げて返事をしているが、表面は恐る恐るといった形で檻の中へと入っていくアメリア。
ダリアはアメリアに服を脱ぐ事を強要する。いつもの事だ。ドレスに痕跡を残さない為の処置。アメリアはただ黙ってドレスを脱ぎ、なるべく綺麗な所に服を置いた。
そして〝いつも通り〟ダリアに背を向けて壁を向いた。
壁には鎖に繋がれた手枷。
仕置き部屋にしては度を越している。
元々ここは拷問部屋、尋問部屋だったのだと嫌でも理解出来る。
手枷を嵌められ、アメリアは目を閉じる。
始まるはダリアによる、ダリアの為の気晴らし。
八つ当たり。
アメリアが甘んじて受けるのは当初に語った通り、ダリアですら救いたいと願ったためである。
アスターの娘。ただそれだけでダリアは、アメリアの存在を許せない。
鞭の撓る音。肉体を打つ音。鈍く軋む鎖。そして、ダリアの罵倒と笑い声。
どれもがアメリアを襲い、彼女の精神が鋼鉄でなければ歪み、壊れていただろう。
否、彼女が神々に愛されなければ、壊れ、歪み、ただの悪役令嬢のままだったのだ。
歯を食い縛り、声を上げずただただ甘んじて受ける。
その時が来るまで――。
**
いつもよりも長い時をそこで過ごした気がする。お仕置きタイムにしては長かった。そう感じる痛みはとうに熱さへと変わり、足が軽く浮いている状況で腕も麻痺してきているからだ。
過去の経験を考えると耐えられない事はない。それ以上に酷い事はあったのだ。
繰り返すようだが、普段の彼女ならば問題なく耐えられていただろう。
薬湯を飲み多少は回復したとはいえ、現状はかなりの期間眠っていたアメリアにとって、僅かばかり苦痛に近かった。
気を緩めれば簡単に気絶してしまいそうな程に続いた暴力。
愛なんてものは存在しない。
水をかけられまず気を失う事など出来なかった。
(これは絶対に死ねないやつですねーーーー?? このまま放置とかならまだしも、確実にただ痛いだけで生かされるやつですねーーー?)
死亡フラグになり得なかった事に内心落胆する。
鞭の音が止んだ。
ダリアが椅子に腰かける音がアメリアの背後で聞こえた。
閉じていた瞼をゆっくりと持ち上げる。目を開くのも億劫だ。
気絶しない、させないだけで、これほどに精神を食うのかとアメリアは内心学んでいた。
過去の周回で拷問も受けた事はあったが、ここまでだっただろうか。いっその事、すっぱり死ぬ方が結構楽だという観点で学んでいるのだ。
ここにどの周回かは記憶がないが、マイクも繋がれていた記憶が蘇る。その頃の自分も自分でマイクにかなり酷い事をした覚えもあった。義母がマイクをここに閉じ込めていた記憶は多くない。大体が、自分がマイクに使用していた周回初期辺りを思い出す。
後にヒロインユリが救出し、マイクの好感度が上がり、マイクは自分に恐怖し憎しみを更に深く抱きという流れだ。
うわ~、と思い返しながら過去の自分の酷さを判ってはいたが、再度まじまじと思い知る。
(は~~~ほんと、ひっどい姉ですね私。……今思えばそれがあったからこそマイクルートで死ぬんですけど。気付いてからの周回では、なるべく穏便にかつ、痛くない程度に苛めているとはいえ……、それにしても神さま方に救っていただかなったら気付けない私って相当酷い。そりゃあ神さま方だって怒るわけです。
気付かせて下さった神さま方にはやはり感謝ですね!
ただまぁ、今回お義母様からマイクに使用される事もなくて、それだけは良かった良かった)
斜め上の反省と感謝を胸にしながら、時間が過ぎていく。
「……どうしてお前はここにいるのでしょうね」
(おや?)
とうとうこの時が来た。
アメリアは静かに言葉の続きを待つ。
彼女を解放するために。
「ユリ、マイクはあんなに良い子なのに、どうしてお前は……あの方までも苦しめるの!いっそ……このままここで――」
(あぁ……お義母様。私としてはお義母様の手で殺されても良かったのです。むしろ是非! と力いっぱい受けてみたかった! しかし物語はそれを許してくれない。本来なかった死に方など決して実行されないのです……。ごめんなさい。私としても、是非ともその死亡フラグは回収してみたかったんですけどね。
ごめんなさい、お義母様。お義母様の心の平穏を、私ではどうしても与えてあげられそうにありません)
「――死んでしまえばいい」
ダリアは口にしてしまった。
アメリアは口元を持ち上げ、笑みを浮かべる。
この場所で叫んでも決して助けは来ない。それはここに入るまでに気が付いた。
ここは声も届かぬ、屋敷内牢獄。
この周回、アメリアが得たものは知識だけではなかった。
短くも耐えるには長い間、閉じていた口をゆっくりと開いた。
喉が締まる感覚が襲う。だがそれでもアメリアは声を発する。擦れた声が静かなそこに落とされた。
「……来なさい、アーク」
「え?」
ダリアは聞き取れなかったのか目を見開きアメリアを見つめた。
立ち上がろうとしたその時……。
「お呼びですか、お嬢様」
「なっ!?」
突然アークはダリアとアメリアの間、その場所に姿を現した。
今まで影も形も気配すらも無かったアークが、声も届かぬこの場所にいるアメリアの声に応えたのだ。
アークは眼鏡のブリッジを指先で上げ、一度呼吸を落ち着ける。そうしなければ今にも当人達に問い質しそうだったからだ。
―これは一体どういう状況だ!
アークの目の前には夥しい程の傷を背中に負い、壁に繋がれている自分を呼んだ少女。
先程起きたばかりの少女は、無慈悲に吊られ、床にまでその血を滴らせているではないか。耐えられる体ではないと分かっているだろうに。罰だとしてもこれは行き過ぎている。
自分の過去を思い出し、腸が煮えくり返りそうになる自身の感情を落ち着かせる。
一度アメリアに悲痛な表情を浮かべるも、表情を戻し平常心を繕い後ろを振り向く。シルバーグレイの瞳を細め、女主人が持つ鞭を見つめた。
女主人、ダリアの表情はアークには醜く映り、普段の彼女とは正反対のものだと感じた。
―お嬢様が仰っていたのはこういう事か。これが奥様の本当の姿。
全てを察したアークはダリアから再び視線を外し、黙ってアメリアを拘束する手枷に手をかけた。
「な、何をしているの!」
「何を? お嬢様を降ろそうとしています。この状態では今のお嬢様では風邪を引いてしまいます。淑女がこのような格好でいるのも頂けません」
「そんなことはどうでも良い! お前は何処からっ! 扉には鍵を……」
淡々と答える的外れな返答にアメリアは笑い出してしまいそうになった。
ダリアの焦り様は今までにない程。ただただ作業のようにアメリアを降ろす彼は、嘸かしダリアからしたら異様に映った。自分を罵倒するでも、非難するでもなく、ただ単純に作業している姿は恐怖を抱くには十分だろう。
鍵なんてものはアークやライラには通用しない。
それを知ったのは数年前だったかとアメリアは降ろされながら思い出していた。
あの時は自分もかなり狼狽えていたからその気持ちは良く分かると、義母に対し内心頷いている。
片手でアメリアを支え、アメリアが置いた服で体を隠す。じわりと手袋や服が湿っていく。
実にスマートだと感心していると、顔に影がかかった。
見上げればアークの顔が近い。ぼんやりと眺めていると、アメリアにだけ聞こえる声で囁いた。
「大丈夫ではないですね、お嬢様? すぐに……」
「まだ駄目ですよ、移動しちゃ」
顔色の悪くも笑みを浮かべるアメリアに、アークの無表情が分かり易く不機嫌に変わった。
アメリアはその様子を苦笑するだけ。珍しく表情を変えたアークに悪いことをしている自覚はあるものの、目的をアメリアは果たせていないのだから仕方がない。
相当切れているのだろう。傷口に触れないように気を付けても、無事な所を探すのがやっとな程、優しく抱き上げられている背中は熱い。痛みを超え、熱いだけの背中。アークの手袋をじっとりとそれは染みわたっているだろうと予測出来た。汚してしまったなぁとぼんやりする頭でアメリアは謝罪する。
今すぐにでもここから出て、適切な治療を受けなくてはいけないとアークは思うのだが、腕の中の少女はそれを駄目だと口にした。一体これ以上ここにいて何になるのか彼には判らなかった。
そんなアークを置いて、彼の肩越しからアメリアはダリアを見つめた。
視線が合えば、一瞬言葉を詰まらせるダリア。
「お義母様。わたくしは……甘んじて、お義母様の仕置きを受けてきました」
半分は自分の為と言えば為なのだが、それは言う必要は無い。
血を失い、か細い声が響く。
「それは自分でも分からぬうちにやってしまった事、わたくしに非があるからだと思っていましたから。……でも実際はそうではなかった」
アークの腕の力が少し強くなった。
大丈夫だとその腕を一度摩り、言葉を続ける。
「お義母様は仰いましたね? わたくしに――」
鋼鉄の精神と魂を持つアメリアの事前の準備に今回は、抜かりはない。
今回初めて他者の手を借り、実行しようとしている。
アメリアの言葉と同時に重い、重いこの部屋の扉が――開いた。
「――わたくしに死んでしまえばいいと」
一言一句間違う事なくアメリアはダリアの言葉を述べた。
アークの表情を今は見ない。支える腕の力は更に強くなり、傷口に僅かに痛みが走るが気にしている状況ではない。今、見据えるべきは彼ではなかったから。
ダリアは扉が開いた事にも気付かずアメリアの言葉に笑いながら「そうよ!」と肯定してしまった。
そう。肯定してしまったのだ。
「お前など! 死んでしまえば……――」
ダリアの目にはアメリアの瞳が慈悲深きコバルトブルーに映った。
思い返すも忌々しい、彼女の母、アスターを思わせる色を目にしたダリアは、立ち上がり鞭を振り上げる。
アメリアはただただ、優しい笑みを彼女に向け、激昂し始めたダリアを横目に、扉の方へと目を向けた。そして瞼を伏せるだけで扉を開けた者へと挨拶をした。
「私の娘を殺そうと言うのか、お前は」
「ごきげんよう、お父様」
低く響き渡る声が室内を満たし、同時にダリアはその声に驚愕し、鞭を持ち上げたまま固まった。
信じられないと瞳が泳ぎ、ぎこちない動きで、ゆっくりと声のする方へと振り返った。
彼女は甘く見たのだ。アメリア自身の力を。
予定調和。
視線を向けた先、この屋敷の主にしてダリアの夫。
アメリア達の父。
ロイド・レイク・スターチスが立っていた。
良く見れば彼の後ろに呼んでもいない筈のアメリアの兄妹、そしてライラまでもがいた。
これは予想外だとアメリアは内心首を傾げている。
(アークを差し向けたにしては……集まり過ぎでは?)
アメリアの視線に気づいたのか長男が読めない笑顔を向ける。
(もしかしなくてもお兄様~~~? 邪魔しないんじゃなかったんですか~~? なんてことを……)
兄の差し金だと分かれば流石のアメリアも肩を竦めるしかなかった。実際は下がらないが、小さく溜息を吐く事くらいは出来る。ダレンは邪魔をしないと口にしただけで、彼自身の行動制限はかけていなかったのだから、アメリアから何も言う事は出来ない。
本当はユリやマイクに自分のこんな姿を見せる予定はなかったのだが、時間は巻き戻せない。
アメリアは薄く溜息を今一度吐くも、笑顔を浮かべたまま。
(まぁ、良いですけどね。私のやる事は変わりませんし!)
さぁ、役者は揃った。
アメリアの反逆劇の始まりだ。
義母が作り出した彼女自身―女主人―の幻想を、そして彼女をこの屋敷―物語―から解き放つべくアメリアは動く。




