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14.ガール

お待たせしました!


今回も短め

 肉体的にぼこぼこにされたガールは、アレッタさんに引きずられ、調理場の床に転がっている。

 ピクピクと動く身体が、その悲惨さを物語っている気がする。

 無茶しやがって……。


 というか、なんでサソリ固めとか卍固めとか知ってるんだろう? メイドってプロレス技を使えなきゃいけないのか……。


 そんなことを考えていると、アレッタさんがガールに近づく。


「ひっ、ひどい目にあったぜ。お前、更に力が強くなったんじゃないか? 」

「ジベルナじゃないんだし、そんなことはないわ」


 嘘だろ……と、ガールが小声で呟く。


「それに、私は観察専門の魔法使いよ。攻撃なんて出来ないわ」

「いや、それはない」

「なにか、言ったかしら? 」

「いや、何でもないから! 」


 アレッタさんの笑顔が相変わらず怖い。

 怯えるガールに、何故だか同情の気持ちがある。南無三。


「まあ、いいわ。新人をからかうのは止めなさい」

「別にからかってるわけじゃないんだがなぁ」

「返事は? 」

「わ、わかったよ。だから、拳を向けるな! 」


 アレッタが向ける拳を見るや、ガールは悲鳴に近い声を上げる。

 あれは、トラウマになるな。


「そう、物足りないわね」

「アレッタが殴りたいだけじゃねーか! 」


 大声で叫びながら、立ち上がる。

 以外としぶとく、元気らしい。

 アレッタの鋭い瞳が彼を射抜いている。


「はぁ、今回はこれで許してあげる。シャウラに謝っておきなさいね」

「へいへい、わかってますよ」


 ぐるりと視線を変え、アレッタはこちらを向く。


「シャウラも大丈夫? 」

「えっと、はい。私は大丈夫です」

「なら、いいわ。このバカには気を付けなさいね」

「わかりました」


 それだけ言うと、消えるように退室した。

 あの人、忍者の末裔とか言われても信じられる気がする。

 砕けた調子にはなってはきたが、いまだにどんな人物なのか把握できない。


 俺は身体の向きをガールへ向ける。


「大丈夫ですか? 」

「大丈夫な訳ないだろ……魔物より恐ろしいもんを呼び出すなよな……」

「私、魔物見てないんでわかんないです」


 そういえば、ここはファンタジーの世界なのだ。

 魔物と呼ばれる怪物たちがいても可笑しくはない。

 ゲームのようなやつらなら、いいのだが。


「魔物を見たことねぇのかよ。俺様の手解きも拒むくらいだし、箱入り娘なのは知ってるが……」

「ガールさん、セクハラ発言です」

「たまに、意味のわからん言葉を使うよな。おまえ」

「……変態ってことですよ」

「そんなことないだろ、俺様は紳士だぜ」


 えっ、それはないだろ。お前が紳士なら全国の童貞たちが紳士だよ。心の中でツッコミをいれておく。


「まあ、悪かった。いきなり相手にしてもらうには早い歳だったな」

「当たり前です」

「そう、怒るなって。俺はサボりメイドみたいな幼いやつじゃなくて大人な女性が好みだからな。安心しろ」


 へへん、と笑顔をつくる。瞳の奥にあるのは魔性な変態性だろうけど。


「でも、貧乳派なんでしょ? 」

「そうだな。俺様はそっちのほうがいい」

「わかりました、ロリコン。帰っていいですか? 」

「なんか、バカにされた気がするが。まあ、いいか。アレッタから口うるさく言われたからな、何か困ったら助けてやるよ」

「それは、ありがたいですね」


 対価は、あげないけど。


「とりあえず、飯を作るからな。何か聞きたかったらいつでも来な。俺様も、半殺しにされたくないからな……」

「それは、うん、頑張って下さい」

「ああ、頑張るよ」


 黄昏た表情をしながら、夕食の準備を始めている。

 時間も案外、過ぎてしまったらしい。

 あれ、俺の休暇はどこいった?


 こうして、シャウラの休日は終わりを告げた。


 □


 --後日。

 お嬢様がその話を聞いて、笑いながら転げ落ちたらしい。

 助けるのは、当然。付き人の俺なので、慎重に女の子の身体を持ち上げた。

 それに、まだまだやることはある。

 まだ、何もできる子というのをアピールできていないのだから。


 それを証明するために、俺はメイド家業を終えた後、街の外へ向かって行った。

次回はやっと、ファンタジー作品らしく

戦闘へ!


メイドの戦闘って、なんかいいよね?(チラッ

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