下校中のハプニング的ななにか
門に行くと雪は既に待っていた。
「待ったか?」
「あっ、ゆうくん、全然待ってないよ」
「それはそうとなんで俺らこんなに注目されてんの?雪、お前なんかやらかした?」
「なんにもしてないよ、何でそんなふうになるの」
俺が疑問に思ってるとこころがその疑問に答えてくれた。
「お兄ちゃん、聞いた話だけど雪先輩去年の大会で準優勝したらしいよ。多分それが原因」
「そうか、てか、準優勝でいい結果じゃないってどれだけ高みを目指してんだよ」
「だって優勝じゃなきゃ意味無いじゃん、それに私よりかもよっぽどゆうくんの方が強いでしょ?」
「いやいやいや、クラス最下位、下手したら学年いや、学校最下位の人に何言ってんの?」
「え?、ゆうくんクラスで最下位なの?」
「そうだけど?」
「お兄ちゃん達、場所を変えるかしないと他の人の邪魔になっちゃってるよ」
「あ、もう邪魔になっちゃってるんだな」
「うん、邪魔になってる」
「じゃあ、帰りながら話の続きをするか」
そう言って俺達は門を出た。
「で、なんでゆうくんがクラス最下位なの?」
「入試の内容が長距離走、剣術、拳術、槍術、体術などの近接戦闘だったからな、長距離走と体術は学年の真ん中くらいで、それ以外は基本最下位だからだな」
「ゆうくん、手を抜いたでしょ?」
「...抜いてない」
そう言うと雪は俺の顔を見つめる。
「何?俺の顔そんなに見つめて好きなの?」
俺がそんなことを言うと雪は顔を赤くし目を逸らし黙り込んでしまった。
え?何この反応、そんな反応されたら普通にこっちが困るんですけど...
「お兄ちゃん、雪先輩、私がいること忘れてませんか?あと、雪先輩でもお兄ちゃんはあげませんよ」
すると我が愛しの妹こころが助け舟?を出してくれた。
「こ、こ、こ、こころちゃん、べ、べ、別にゆうくんが欲しいとは言ってないよ」
「雪先輩分かりやすすぎますよ」
「そんなことよりいつの間にか家通り過ぎてんだけど?」
話に夢中になりすぎて家を通り過ぎたのに気づかなかったらしい。
てか、誰かひとりぐらい気付くだろ普通。
俺らは即座に方向転換して自宅に帰っていった。