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過去の夢
俺は今鮮血のように紅く染まった...いや、言い直そう鮮血で紅く染まった部屋にいた。
「なんでだ?何でこんなことをしたんだよ。こころ」
俺は困惑した表情で聞いた。
「だってお兄ちゃんが言ったんだよ。死ねって、殺してやるって」
「...でもっ、だからって、本当に殺すことはないだろ」
「お兄ちゃんはなんでそんなに怒ってるの?こころはお兄ちゃんのお願いを叶えただけなのに」
「っ」
俺は言葉を返さなかった。
否、言葉を返すことが出来なかった。
なぜなら俺は下らない理由から親と喧嘩をし、死ねや殺すと言ってしまったからだ。
「それに、これでこの家にはこころとお兄ちゃんだけだからこれからいっぱいイチャイチャ出来るね」
「こころ、おまえそれが主な目的じゃないよな?」
「当たり前だよ。少しだけその気持ちもあったけどお兄ちゃんの幸せが一番だから」
「じゃあ、じゃあ、なんで...」
俺の意識はここで途切れた。




