人間はガチャを前にして無力である。
これが僕の青春です。
期末テストも終わり、クラスメイトは何人かのグループを作って遊びに行っているであろう休日。
流れ続けるゲーム実況動画もそっちのけで、ただスマホと睨みあっている少年がいた。
彼の名は...伏せて置こう。別に書く必要ないだろう?
彼が狙うは沖田総司。
只今、彼のハマっているゲームのガチャで、沖田総司の出現確率がアップしているらしい。
沖田総司は、そのゲームの中で、可愛いと評判である。クエストが終わったあとのコメントなど鼻血物だ。
ちなみに沖田総司は史実上は男であるが、そのゲームの中では可憐な女の子になっている。
彼は、ガチャを引くときの一瞬の気の高揚に身を任せ、ただただ10連を引き続けている。
10回と書かれたボタンを押すときの高揚感。
画面一杯にまばゆい光のエフェクトがかけられ、誰が出てくるのかを待つ一瞬の期待。
その期待が裏切られたときの悔しさ。
これが彼をガチャへと突き動かし続けている。
ちなみに彼の課金額は...これも伏せておこう。まぁ、4桁は軽く越えている。
彼はまた、10連に手を伸ばす。
さて、沖田総司は彼の元に来るのだろうか。
そしてまた、彼はガチャに裏切られる。
沖田さんください。