転生
あれから二週間がたった。
どうやら私は本当に転生してしまったらしい。何故か死ぬ直前の記憶が無く、私がどう死んだのか分からない。誰かに殺された筈なのだがそれが誰なのかさっぱりだ。
「お嬢様。起きていらっしゃいますか。」
おっと、メイドが来たらしい。私は結構裕福な家庭に生まれたみたいだ。しかし、私が会ったことのある者は授乳するときに母を見た位で後はこのメイドしか見ていない。父親はまだ一度も見ていない。仕事で忙しいのか、淡白なのか。メイドの話によると兄と姉がいるらしいのだが、まだ会ってはいない。周りは殺風景で薄暗い。まるで牢屋の中にいるみたいだ。
「それではお嬢様、また。」
考え事をしている内にやることは終わったみたいだ。メイドが出ていく。こうなるととても暇だ。そういう時は前世の時みたいに指先のトレーニングをしている。前世ではいつもやっていた。マジシャンにとって体を意のままに操ることはとても重要だ。これは簡単に出来そうで、とても難しい。このトレーニングが終わったら次は歩く練習だ。それが終わったら柔軟………
あれ?意外とやることが多い……。
ま、ゆっくりと無理せずやっていこう。時間はたっぷりあるんだから…………。