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20××年9月 (小4)

 まだ夏の暑さが残っている9月上旬、僕はある場所に向かっていた。田舎の風景を車から見て窓から入ってくる風を顔面で感じ、「嗚呼、青春」と心で呟きながら。

 

 僕は当時力強いミミズが這った跡のような字を書いていた。この字は流石に…と思いながらダラダラと堕落した生活を満喫していた僕だがその生活に終止符が打たれた。

 

 「麦」

 

 教室の後ろに掲示されていた習字の作品の力強さに衝撃を受けた。その字の虜になってしまったのだ!!僕はいてもたってもいられなくなりすぐに作者の女の子·蓮に聞いたのだった。「君が通ってる書道教室どこ?」と。

 僕は書道教室に通うことになった。

 そして冒頭に戻る。 

 

 初めて踏み入れたその場所は僕が近づいてはいけないのではないかと思ってしまうほど神聖な空気が漂っていた。僕は後悔した。僕という人間が踏み入れたことによってこの空間が穢れてしまったのではないかと思ったからだ。しかしそこで負ける僕ではない。むしろ俺色に染めてやんよ、と決意したのである。

 小4だから基礎は出来ているだろうとひらがな、カタカナを飛ばし漢字の練習からスタートした。地味に真面目な性格なので僕は黙々と練習に励んだ。黙々と練習に励んでいたからこそ気付かなかったのだ。

 誰よりも神聖な空気を纏わせている人間が居たことを。

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