演習
歩けるかい、煌柊君?」
「大丈夫です、でどこに行くんですか。」
「君の将来の仲間の下に行くんだよ。戦いたくないのはわかるけど君が戦わないと力を持たないまだ俺たちに発見されていない子供が喰われるんだぞ、それでも戦いたくないと言えるのか、力があるのに。」
「それはそうですけど、あんな怪物にこんな僕が勝てるわけないですよ……。」
煌柊は筋肉の弱った脚でゆっくりと訓練棟に歩いていく。
訓練棟に着くと、沢山の子供が力の練習に励んでいる。
「神賀教官、遅いですよ。10分遅刻なんてありえないです。」
「まぁそう硬いこと言うなよ。今日は見学者もいるからいつもより張り切ってやれよお前ら、じゃあ早速演習といこうか。佑奈と悠人は両端に立て、それじゃ始め!」
「行くぞ佑奈!来い八岐大蛇!!」
彼が叫ぶと背中から八本の龍が相手を狙って放たれた。
「ほんと悠人って学習しないよね〜。ヤマトタケルさんお願いします。」
「了解した、佑奈。」
彼女が呼んだヤマトタケルは単体として現れ、ヤマタノオロチを二刀流の剣で切り裂いて行く。
「ちっ、オロチ、モード爪銃蛇だ!!」
すると背中から出ていたオロチが小さく尖った形に変化し彼の周りに円状に散らばった。
「これで決める、宴の開演だ!ファングカーナヴァル!!」
その八本の矢はヤマトタケル目掛けて放たれる。
「なら私達も!宴の開演よ、烈火獄剣術!」
「また相打ちかよ、また次だな、」
すると神賀教官が歩いてきた。
「どうだった?仲間の戦闘は?」
「凄いとしか言えないですよ。あんなの。あんな風に力を使うんですね。」
訓練棟に子供の声が響いている。