封印児の運命
「この子が生き残っていたのね、あの時私の警告を無視して行ってくれて良かったわ。」
「よく言うぜ、まぁこれでやっと全員揃ったな、可哀想だがそれも運命だ。」
僕が意識を取り戻した時に近くにいた大人二人が話している。
僕は目を開けるのが怖かった。人の言葉を話していてもまた怪物が近くに居るのではないかと。
「少年、今まで苦しかったと思うがもう安心だ、この施設は怪物が侵入出来ないように結界が貼られている。だから落ち着け。」
僕は自覚がないまま震えていた。
「なぁ少年、名前はなんて言うんだ?良ければ教えて欲しいな。」
「僕の…名前は……煌柊と言います。」
「煌柊君か、俺は神賀悠だ、これから君の教官になるからな、覚えておいてくれ。」
「え、教官ってどういう事でしょうか?」
「そうか、君は自分が封印児だと言う事を知らないんだったな。ならそこから説明しようか。」
「封印児って言うのは大昔の国々の神の力が体に宿って生まれてきた子供のことを言うんだ。今でもこの施設の中にたくさんの封印児が住んでいる。もう力に覚醒したものもいれば全く力に目覚めない子供も居る。その中でも更に強い神を宿し生まれてきた子供達がいるその一人が君なんだ。分かったかな?」
「はい、でその強い神を宿した子供は何人居るんですか。」
「5人だ、君以外の4人はもう覚醒し終わっているよ。」
「それでその5人は何をするんですか……?」
「今更聞くのか、戦うんだよ怪物と!まぁ心配するなちゃんと戦えるところまで俺が持っていってやるから。」
「違いますよ、僕はあんなのと戦いたくないんですよ!」
「戦って戦績を上げれば昔の友達に会えるのにか?」
「何を言ってるんですか、あいつらはもう死んだんですよ。」
「いや、まだ生きているよ一応ね、あのウイルスには体の機能が完全に停止した場合、近くの異性と交尾して、育てそのウイルスの生まれて実体化したものがマターなんだ。確か君以外の友達は男女二人ずつのはずたから…」
「そんな話、やめて下さいよ。余計苦しくなるだけじゃないですか。」
僕の目からは自然と涙が溢れていた。こんな世界最悪だという事と自分の力に。