表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/45

×9 断じて違う!

「あみちゃん?あみちゃーん。」


目の前にすーちゃんが現れた。


「うわっ。すーちゃんか。びっくりしたじゃんかー」


「私の方が心配したよ。あみちゃん当てられたでしょ?こっちまでドキドキしちゃったよ。あ、そうだ。どうしたの?さっきぼーっとしてたけど。授業終わったの気づいてた?みんな教室もどちゃったよ。」


うわ。授業まで終わってたとか信じらんない。私何してるんだろ。


「あーうん。そうなんだよね。当てられたんだよね......」


「あみちゃん?やっぱ変じゃない?大丈夫?」


「え?あー、はは。変だとは失礼な。あみちゃんだって物思いにふけることくらいあるんですよ」


「えー、何それー。あ、今日のお弁当のこととか?」


「あっははー、バレた?」


「ほんと、あみちゃんそういうとこ変わってないよね。」



よかった。青野のことバレてない。


......バレてない?バレる?何が?青野がさっき私に答え教えてくれたことが?私が青野にドキドキしたことが?私が青野を......ち、違うっ!

ぶんぶんと頭を振る私にすーちゃんが「大丈夫?」と声をかけてくれる。

すーちゃんには話た方がいいよね。私が青のを、じゃなくて、授業中のこと。



「ごめんごめん。昨日寝不足でさ」


「そうなの?なんだ昨日メールくれなかったから早く寝ちゃったんだと思ってたんだよ。起きてたならメールしてくれればよかったのに。」



ぐっ、すーちゃんの言う通り。昨日は宿題してすぐ寝た。すーちゃんは昔から鋭いんだよね。普段はなかなか口にしないけど、カンがいい。



「本読んでたら時間忘れちゃって」


「へぇ、そうなんだ」


すーちゃんがニヤリとした。

意外と黒いのですよ、すーちゃんは。


「そ、それより。さっき当てられたとき青野が答え教えてくれたんだよね。」


「え」



青野がってところですーちゃんのニヤニヤが消えた。

まあ、まさかあの青野が私にって思うよね。共感共感。私も驚いたもんね。



「そう、なんだ。へぇー、青野くんって優しいもんね」


すーちゃんの言葉は意外だった。

あの青野が?小学生のときさんざん私のことを馬鹿にした青野が?!優しいだと?!!



「え?青野が優しかったことってあるっけ?」


「もー。あみちゃんがわっかってないだけだよ。ああみえて誰にでも優しいよ青野くん」



なんと。新事実なんだけど。そりゃぁ、たまには少ーしだけ優しいかなーって思ったりすることがあったりなかったりだけど。みんな、青野は優しいって認識してんのかな。


「ほんとああみえて、だけどね」

ちょっとだけ嬉しかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ