×6 5年後。
「早瀬あみ。お前まだそんな点とってんの?だっさー。お前のことなんて見え見えなんだよ。その程度で俺を見返せるとおもったの?あっははー笑っちゃうねー」
青野が私を見下ろして笑う。
私のテストちゃん見てよ。
「は?何言ってんの私より成績わるいくせに笑わないでよね」
私は100点のテストを突きつけた。馬鹿め、これで私の勝ちよ。
「寝言は寝て言えば?俺がお前に負けるわけないじゃん、6点」
「え?」
見ると私のテストはがんばりましょうの6点になっていた。
ありえない!あんなに勉強したのに!!
「なんで?なんでだよぉーーーー!!」
私は目を開けた。
白い天井とカーテンから差し込む太陽の光。
さっきの夢は強烈だった。昔を思いだしちゃったじゃんかよぅ。
小4で青野に会ってから私はいろんな意味で変わった。
馬鹿にされ、見下された腹いせに仕返ししてやるといって私立の中学を受験する青野を追いかけた。
すーちゃんに手伝ってもらって必死に勉強して、私もすーちゃんも余裕で合格することができた。
流石、私立ということあってプライドか高い人ばっかでうまくやっていくのは大変そうって思ったけど、ここではみんな私の過去なんて知らないし、成績で言えば私も青野も変わらないくらいだから昔みたいに成績のことで馬鹿にされることもなくなった。
私も昔みたいに転んだり、物事を無計画で進めたりすることもなくなったし、何より慎重に考えるようになった。たまに会う親戚のおばさんにはいいのか悪いのか「おとなしくなったね」なんて言われて。
すべてうまくいったみたいだった。




