表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/45

×26 大雨地獄•反

通り過ぎていく人たちが振り返るのも気にせずに一気に走り抜けた。

人気の少ない手洗い場を見つけ、バケツいっぱいに水を入れ、それを片手にまた走った。いつもなら両手で抱える程の重さだか今はなりふりなどかまっていられない。

左手の時計と日付けを確認し頭をフルに回転させる。目的地はすぐそこだった。

2階から3階への階段の上の方。休み時間には3階には人が少ない。それに加えてここは管理棟。休み時間終了前のこの時間に最も人が少ない場所といえるだろう。まさに今のあたしにとって絶好の場所。ここからは2階の廊下を通る人が見える。最上階の階段であるが故に可能であること。

時計の針が休み時間終了10分前を指した時、標的が現れた。

今は図書委員会が仕事を終える時間。本来委員会は休み時間終了ぎりぎりまでいなければならない。しかし、委員会は1度に2人ずつで仕事をする。そのうち1人は手伝いという役割なので10分前には仕事が終わる。どちらがメインかは当日の双方による話し合いで決めるため標的とする人がが確実に出てくるとは限らない。だが、1、2年生と3年生がペアを組んだ時、メインになるのはだいたい1、2年生の方だ。そして、今日はその日。出てくるのは3年生なはず。

あたしの読みは間違っていなかった。

標的、青野瞬は図書委員会を終えて教室に戻るため廊下を歩いていた。あたしがどんな目にあったかなんて知らずに。

許せなかった。

あたしはバケツを勢い良くひっくり返した。


「うわっ?」


かかった。

叫び声と水の音が重なり響いた。

青野は、何?と言いながら周りをきょろきょろと見回し、3階を見上げた。その視線をよけるようにその場を離れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ