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今日に間に合ってよかったです。

あれからどんなに聞いてもすーちゃんの好きな人をおしえてもらうことはできなかった。


「気づいて」


って言ってたけど、今まで気づかなかったのに気づくわけないよね。もっとしっかり見ろってことなのかな。

それからみんなで映画見て、買い物して解散したのは空がちょっと暗くなり始めたころ。

すーちゃんとは家が近いから帰り道は一緒。みんなは駅から電車で帰るらしいから2人で帰ることになる。

ちょっと迷ったけどさっきまですごく気になったことを聞くことにした。


「あのさ、」

「そういえば、」


息ぴったりでかさなってしまった。こういうところで合ったって嬉しくないけど。


「ごめん、あみちゃんさきにどうぞ」



「ううん、さきにすーちゃんからどうぞー」


「わかった。別にたいしたことじゃないんだけどね。今日の映画おもしろかったねって言いたくて。ほら、恋愛モノだったでしょ?あみちゃんそういうのあまり見なかったから、どう思ったのかなぁ。なんておもったりして」


今日の映画は恋愛系。好きだった幼馴染と再会してまた恋に落ちるって話。マンガとかでよくありそうな話だよなあ。


「うん。あんまり見ないから新鮮で面白かったと思う」


「そう?よかった。実はあれが見たいって言ったの私なんだよね」


意外だ。すーちゃんからみんなを誘うなんて。いつもすーちゃんが誘うなら私1人なのに。

すーちゃんは「よかったよかった」とふわふわのスカートでひらひらと舞うようにスキップした。


「そういえば。さっきいいかけたことって何?」


「あ、そうそう。そのことなんだけど......」

なんとなく後ろめたく思って口ごもる。


「何?」


すーちゃんが極上スマイルで首を傾げた。


「好きな人って誰?」


スキップをやめてちょっとおどろいた顔をして、また少し笑った。スカートを翻して私より1歩前に進んでくるりと振り返った。


「青野瞬くんだよ」


それは私の近くにいた、私の大嫌いな優等生にしてクラスのモテモテ男子。


すーちゃんはまた前を向いて言った。


「驚いた?全然気づいてなかったんだ。」



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