×11 チョコバナナクレープ
昨日はPCとネットワークの不調で投稿できませんでしたすいません。
私はチョコバナナクレープ、すーちゃんはいちごホイップクリーム、如月さんたちキャラメルいちごクレープ。
ここのクレープ屋さんはいろんなクレープがあるけど、私とすーちゃんはいつも同じもの。
そしてみんなで座ってお喋り大会。
話題は先生とか友達への愚痴とか、後輩が生意気だとか、テストのこととか。
「あみちゃんとすみれちゃんって頭いいよね」
ふと、ゆいちゃんが言った。
「うん、いつも上位に名前乗ってるよね。」
隣の如月さんも頷く。
「私はすーちゃんに教えてもらうことが多いからね、すーちゃんのおかげだよ。」
テスト前とかわからない問題とかすーちゃんと一緒に勉強して、教えてもらっている。わからない問題もすらすらと解いていくすーちゃんはかっこいいし頼りになる。正直、すーちゃんなしではこの成績はありえない。
「そうなんだ。さすがすみれちゃん。1年からずーっとトップだもんね」
すーちゃんに尊敬の目を向ける如月さんたち。
すーちゃんは少し照れたように笑った。
「私スポーツとか苦手だし、勉強くらいしかできることないし」
「そんな謙遜しなくていいんだよー。すみれちゃんは十分立派だよぅ」
「そうよ、あみちゃんもすーちゃんに感謝して、崇め奉るのよ」
「あー、うん」
如月と水無さんの威圧的に押される。
怖い怖い。
そういえば、と水無さんが思い出したように聞いた。
「あみちゃんたちって小学生のときからずっと成績よかったって本当?」
...え?どうしよう。私の小学生の時の成績とか今まで誰にも知られていない。ここでばれるわけには。
「私はそんなことなかったな」
最初にすーちゃんが口を開いた。
何を言うべきか迷っていた私は便乗させていただく。
「えー、ちがうよ。すーちゃん昔から頭よかったじゃん。私ずっと勉強教えてもらってたじゃんか」
「やっぱりそうなんだ。小学生の成績も一応大事だよね。うちの小学校頭悪い人ろくなやついなかったもん」
如月さんの言葉に笑いながら「それわかるー」と水無さんも賛成する。
如月さんは自分の意見をはっきり言う。それが人の上に立つリーダー的存在でいる理由。正しいことは正しい、間違ったことは間違っているっていうのが彼女の考え方。それに少しの毒舌が混ざる。
自分のことがばれてるんじゃないかと思った。胸がちくりとする。みんなに嘘ついたみたい、違うのに。
「そうそう、同じクラスの人がさ......」
それからみんなは小学校の思い出の話になった。
私が小学生の時の話はこの学校ではすーちゃんと青野瞬意外誰も知らない。別に隠しているわけではないが、今まで聞かれることは少なかったし、聞かれても曖昧に答えとけば話題がそれていった。隠してるんじゃない、言ってないだけ。そういいきかせてやり過ごしてきた。
「あみちゃん!」
突然すーちゃんが声をかけたから驚いた。
「な、何?」
「チョコレート!」
すーちゃんは私の服を指差した。
見ると黒のパーカーにクレープから落ちたらしいチョコクリームがついてた。黒だから目立つことはないけど落とすのに手間がかかりそう。
「あー。ごめん、トイレ行ってくる」
みんなの話から抜けるのは残念だったけど、ちょっとだけほっとした。
これからもよろしくお願いします。




