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東方尾狼伝  作者: シカバネコ
東方紅魔郷 ~ the Embodiment of Scarlet Devil ~
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第漆章 流星と蝶の約束

「これは……一体何なんだ?」


「私が聞きたいわよ。」


霊夢の勘により何かを発見して近づいてみたはいいものの、全く何なのかわからない。

よくよく見てみると『それ』は、黒く塗りつぶされた球体をしている。

が、何もわからない現状でそんなことが発覚したところで意味は無い。


「あれ? でもこの中に、妖怪が居るみたいだけれど……。」


それは一体どういう……。二人が疑問を口にしようとした瞬間、黒い球体が溶け出し中から金髪の少女が現れた。


「あら珍しい、今日の晩御飯は人間ねー。」


「「勝手に食うな。」」


「じゃあ許可を取ればいいのかしら?」


「許可が出れば、な。出す気はないけど。」


「そもそもいきなりなんなのよ。人のこと指さして晩御飯なんて。」


「だって私、人喰い妖怪よ? 人ぐらい食べるわ。」


開口一番食事宣言をかました少女は、自らを食人妖怪と名乗った。

流石に二人も、妖精以外の最初の敵が食人の性質を持っているとは思わなかったらしく、オミを護るように陣取るが―――


「いや、この場合護るのは私だと思うんだけれどな。霊夢と魔理沙は人間だけれど、私は妖怪な訳だし。」


―――何故かキメ顔でオミが二人を制する。


いい事言った、とでも思っているんだろうか。と二人は考えるが、ツッコムと話がこじれそうだったので放っておく事にする。


だが、言い方は兎も角オミの言い分もまた事実。

幾らオミの方が弱いとはいえ、相手が人間に対して優しくなさそうなのは明白。

相手の実力を図る意味でも先にオミと戦わせた方が無難か。

霊夢はそう判断し、魔理沙に確認を取る。


「そうねぇ。じゃあここはオミに頑張ってもらいましょうか。ね、魔理沙? ……………魔理沙…?」


が、魔理沙は何かに目を奪われているかのように、ただ一点を見つめて動かない。

霊夢の声も聞こえていないようだ。


「……っ! あ、あぁ。そうだな、別にいいんじゃないか? 喰われたくはないしな。」


ようやく返事をしたと思ったら、どこか間の抜けた空返事。

ここまでくると、流石に見逃すことも出来ず霊夢は魔理沙に先日からの疑問をぶつける。


「ちょっと魔理沙? アンタ私に…いえ、私達に何を隠してる訳? 私もオミも知らない、オミに関する事を知ってるんでしょう? 今も何か思い出しでもして呆けてたんじゃ……………ッ!!」


中断された言葉の後に続くのは、博麗の巫女としての勘。

たった今、自分は何か途轍もなく強大な存在に見詰められていた。

ただ見詰められていただけで全身に悪寒が奔るような、邪悪な存在。


その見詰められた方向に全意識を集中させると―――


「? なぁに? やっと私に食べられる決心が付いたの?」


―――無邪気に首を傾げる、食人妖怪が居る。


今の視線はこいつが? そんなまさか。あれ程の力を持ちながら、何故自分たちを襲ってこないのか。だとしたらここに居続けるのは危険なのでは。

思考を重ねれば重ねる程に疑問が湧き出てくる。


沈黙した巫女に声を掛けたのは、以外にも魔法使いだった。


「大丈夫だ、霊夢。今お前が感じたのはあの人喰い妖怪じゃないし、ソレの主は私達に危害を加えない……いや、加えられない。だから安心しろ。」


「っ! アンタねぇ!! 隠し事も大概にしなさいよ!? 状況を考えて」


「わかってるさ!!」


またしても謎の宣言をする魔理沙の態度は、今さっきの邪気で神経を尖らせていた霊夢が堪忍袋の尾を切るには十分過ぎた。

だが、対する魔理沙はその霊夢の剣幕を押し切る強さで大声を出す。


「わかってる…! わかってるよ! 今私がどれだけ意味深な事を言っているかも、私がどれだけ重要な情報を知っているかも、こういう理不尽な状況を霊夢が一番嫌うってのも!!」


それは、悲痛な叫びだった。

彼女も親友に隠し事などしたくはないだろう。

しかし、魔理沙には彼女の知る全てを明かせぬ理由があった。


「全てが、全部が全部、キチンと終わったら、必ず説明する。いや、お前にもいずれ解る時が来る。だから、それまで待っててくれ。身勝手なのは解ってる、何度もお前に言われたさ。でも、そうするしか方法はないんだ………。」


あの時と、オミを最初に見た時と同じように、静かに泣き崩れる魔理沙を見て、霊夢は寧ろ困惑する。

未だかつて、この親友がここまで自分を困らせた事があっただろうか?

こんな言い方では些か傲慢に聞こえてしまうが、いつも目の前の魔法使いがするのはお巫山戯の範疇で、何か大事をやらかした時は常に先手を打って行動をする、用意周到な奴だ。

弾幕ごっこで相手に大怪我をさせてしまえば、自前の特性薬を風の如く持ってきたり。家屋や路を壊してしまえば、直ぐに職人に手配したり。

そういう気配りは出来る、自慢の親友だった。のにも関わらず、今彼女は『全てが終わったら説明する。』などという不明瞭な約束で終わろうとしている。


不満、憤り、哀しみ、困惑。様々な感情が入り乱れるその雰囲気に水を差したのは、やはりこいつだった。


「兎も角終わったら全部話してくれるんだろう? それならいいんじゃないかな? ね、霊夢。」


あまりにも楽観的な、自身の問題でもあると欠片も理解してなさそうなその言葉に、呆れを通り越して寧ろ尊敬の念さえ抱ける。

自分の記憶全てが無くなった状況で、唯一の手がかりがまた後で。などと言われれば、普通の人なら心中穏やかでは居られないだろう。

まぁそもそもオミは人間ではなく妖怪だが、それを差し引いても自分ならもう少し慌てている筈だ。少なくともこの脳天気野郎よりは。そう思う霊夢だが、今回ばかりはこのお馬鹿に釣られて和んでいる場合ではない。


「………せめて、その全てが終わった時、っていうのがいつなのか明確にして欲しいわ。終わったら終わったら、って言って先延ばしにされちゃあ堪らないもの。」


それでも幾分かは怒りが収まってしまっているようで、霊夢は仏頂面をしながらも妥協案を提出する。


「異変が、今起きている異変の全てが完全に解決された時よ。異変解決は巫女の仕事でしょう? 私だって霊夢に隠し事なんかしたくないわ、早く解決しましょう。」


「「!!?」」


妥協案に対して返ってきた目の前の黒白魔法使いの口調が、普段の彼女とは似ても似つかぬ女の子らしい言葉遣いで二人は言葉を失う。

が、それも一瞬。次に魔理沙の口から出たのは、いつも通りの男っぽい言葉遣い。


「取り敢えず今は、あの人喰い妖怪を倒そうぜ。」


その言葉に先程の視線を思い出すが、霊夢は魔理沙を信じて文句を飲み込み一言だけ言う。


「ぜっっっっったい教えて貰うわよ!! 教えなかったら絶交よ絶交!」


「ははっ。それは困るな。私には霊夢しか親友が居ないんだ。ぼっちになっちゃうぜ。」


軽口を叩ける程度には調子の戻った魔理沙は、目尻を拭って元気よく叫ぶ。


「さぁオミ! とっとと倒して先に進もうぜ!!」






「えぇっと、この雰囲気だと非常に言い辛いんだけど………。ルーミアちゃんならさっき帰っちゃたよ…?」


「「はぁ!!?」」

心理描写も苦手かなぁ

てかもっと考えて書かないとなぁ

思いつくまま書くから変になるんだよなぁ


それにしても完全にオミ空気だったなぁ……

おかしいなぁ……

まぁ次はオミ回だしいっか

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