何時の間にか
あー、めんどくさいわね、全く
「俺は断じてやっていないぞ、証拠あるのかよ、女子共!」
それに続いて、男子皆が…
「そうだそうだ」
「証拠は先生の言った言葉じゃない、いい加減認めなさいよ、変態!」
それに続いて、女子皆が…
「そうよ、そうよ」
私はと言うと、真ん中に1人、ポツンと座っていた、だって参加するのめんどくさいし、見てるだけでも面白いよ。
「先生、ヤブキは本当に女子の着替え室に、入ったんですか!」
「はっきりしてください!」
「そ、そんなこと、私に聞かないでくれぇぇぇ」
先生は、そういってドアを開け、廊下へと走って逃げた。
…私、あんな理不尽な先生初めて見た。
「と、とにかく、俺は断じて見てない」
「嘘よ、私しってるわ、私の下着置いてあった所が変わってたもん」
「ギクッ」
うぁー、今の自分で認めたようなもんじゃない。
これは、勝負決まったかな?
それでも、決着が着かなかった。
あー、めんどくさいなってきたわね。
私がそう思っていると、ドアがいきなり、いきよいよく、開いき、開けた正体はカナだった。カナは私の方を見てこう言う。
「葵さん、少し時間を頂けませんか?」
「なんで?」
「お願いします」
カナの目が真剣で真っ直ぐ私を見る、どうせさっきの事をでしょう、まー少しならいいか。
「分かったわ」
私がそういって、カナの方に向かう。クラスの奴等は、この事により静かになっていた。
「ありがとうございます、葵さん、では、行きましょう」
カナは私の手を握り、リモコンのスイッチを押そうとする。
「ちょ、何処に行くつもりよ」
「誰もいない所です」
そういって、私はカナに何処かに連れてかれた。
「ここは?」
気がつくと、もうそこは教室ではなく、何処かの丘にいた。
う、眩しい、太陽?
何時の間にか夕陽になっていたんだ、建物に居たから気づかなかったわ、……きれいな夕陽
「どうですか、ここの景色は」
「えー、綺麗だわ、まるで、新しいアニメが始まって夢中に見てしまうほど、あの夕陽も見てられるわ」
「たとえがいまいちよく分かりませんが、気に入って貰えて良かったです」
そういって、カナは苦笑いをする。
「それで、私をここに連れて来た理由は何?」
カナはまた真剣な表現になり、私を見た。
「先ほどはすみませんでした。葵さんの気持ちも知らずにペラペラ喋ってしまって!」
カナの声に覇気があり、私に頭を下げた。
全く、どんだけ真面目なのよ、この人は。
「別に良いわよ、あまり気にしてないし、そんだけだった、私はもどるわよ」
「あ、あの!」
「何、まだ何かあるの?」
私がそういってから、少し間が空いた、そしてカナは自分の頬を両手で、パンパンと叩き、深い深呼吸をする。
「クロエさんから、葵の過去を少し聞きました」