表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

秋なんだなあ

掲載日:2025/10/17

わたしにとってのヘンな時間は、周囲にとっては普通の時間。そのヘンな時間は、まだ人の活動があって、けれど、その人たちは家路を急ぐ。だから、どことなくイライラしているような、あせっているような、話しかけたらいけないような、どこかトゲを忍ばせているような。表情もなんとなく怒っているようで、わたしは、怖くてしかたがなくなる。自分が歩いたことで鳴ったカサッという枯れた葉っぱの音にさえ、弱ったココロは、おびえてしまう。


枯葉かあ

秋なんだなあ


―今年の夏は、三日も、エアコンを動かしてしまいましたわ


はっきりとした口調で、けれど、宙をおぼろ見ているような、そんな表情で、あのとき、マナモは、言っていた。いつのことだったかな。エアコンを我慢したせいで、暑さにやられたかな。一瞬、思ったけれど、前からこうだったなあと、思い直したんだった。いつのことだったかな。


そして、


―そのまま食べていた食パンを、焼いて食べるようになったら秋かしら、トースターから流れてくるあの香りは、秋の日にこそ、ふさわしいわ


とも、マナモは、言っていたなあ。いつのことだったかな。


秋なんだなあ


買いものおわり、すこし弱ったココロを抱えた家までの道のり。香ってくるのは、さんまの焼けたにおい。


秋なんだなあ


さんまの焼けたにおいでも、しっかり秋を感じられるんだよ。今度、魚嫌いのマナモに、教えてあげよう。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ