5(冒険者協会)
レンたちが門を通ったとき
「ここら辺の村とか町はセリーナのことを覚えているんじゃないか、もしかしたらついたとたん襲われるなんてこともあり得るんじゃないか」
「その通りだと思います....すみません....」
セリーナは申し訳なさそうだった
「いや、別に謝らなくていいよ。ただ、どうしたものかなって」
別にセリーナのせいというわけでもない。ただ、セリーナは命を狙われていて一緒にいると俺も危ないということだ。問題しかないな。だが、一向に構わん
「ということで西の大陸まで飛ぼうと思います」
「西の大陸....それじゃここは北の大陸か」
「東の大陸です。いいですから手を貸して下さい」
「わかった」
セリーナはレンの手をつかむ
「目は閉じ口は開けないでください。行きますよ!」
そして、レンとセリーナは空を飛んだ、彼らは驚くべき速さで飛んでいた
快適だな飛んでいるのはわかるがなんか旅客機の中にいるようだ
レンは好奇心から目を開けてみた
レンは雲の上を飛んでいた。そして、驚くべき速度で景色が変わっていく。さながら、戦闘機の中でもいるかのようなスピードであった。実際、ソニックブームが生じていた。また、レイとセリーナの周りには膜のようなもので囲われておりこれがこの快適さを作っているのだと理解した
まるで戦闘機に乗っているようだ。魔法の知識のない俺でも今起きていることがとてつもない高次元のことなのだと理解できる
「目を閉じてと言ったでしょう、安全を保障しかねますよ」
セリーナが少し厳しさを感じさせる目が俺に刺さった
「ごめん好奇心には抗えなかったぜ....とはいえもう開けないよ」
「まぁいいでしょう、目を開けてもしゃべってもいいようにしていましたから」
「さすがセリーナ....ありがとう」
そうして三時間ほどして再び地面に降り立った
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「レンつきました....目を開けてください」
目を開けてみると遠めに街が見えた
「あれがこれから滞在する町か」
海に隣しておりいかにも港町という感じでそれなりに栄えているようだ
時代感はヨーロッパの中世ぐらいのように見える
「はい....あの町はロジンといい海を使った漁業と物量で栄えています」
「なるほど」
レンはそういったセリーナを見てみた
ていうかセリーナはこの服装のまま行くのかな
セリーナの服装は白を基調としたドレスのような感じで露出が激しい
「少し服装に不満があるようですね」
「不満ってほどじゃないけどそれでいいのかなーって思ってただけだ」
まだなんも言ってなかったし表情にも出していなかったはずだ心でも読めるのか
「まぁいいでしょう、私も着替えたいと思っていました。せっかくですしあなたの好みに寄せましょう、そうですねーこんな感じですか」
そういってセリーナは一瞬で着替えた着替えたというよりは服が変わったという感じだ
セリーナは腰まであった白髪を一つにまとめ黒のパンツに白のシャツに黒のジャケットまるで執事のような格好になった
少し中性のようなかっこいい感じに仕上がっている
「確かに俺の好みのような感じがする」
とわいえ俺に服装の好みはあまりないような気がするが
「その着替えって俺もできるか」
レンはこの世界に来てからずっとジャージで過ごしてきた
「できますよ、やりましょうか」
「頼む」
そうしてレンもセリーナと同様の服装に変わった
いい感じ....かっこいいだけでなくこれは動きやすそうだ!
そうしてレイたちは道なりに進みは入り口前の検問で警備に止められた
「身分証の提示をお願いします」
「持っていないです」
男は顔を少ししかめた
「身分証を持っていない、ではどこから来た」
「東の大陸です」
男はもっとしかめている
「東の大陸だと」
なんか結構怪しまれてるっぽいな、東の大陸ってなんかあるのか
「ではロジンに来た目的は」
「特に決まっていないが金を稼いだり、観光したり、目的を見つけたりかな」
「ちょっと怪しいな、ロトちょっとこい」
男は一人の兵士を呼んだ
「お前たちがロジンに滞在しているしばらくの間こいつがお前らを監視する。いいな」
「めんどくさぁ~....お前ら身分証ぐらい持っとけよ」
そういったのはロトと呼ばれた男めんどくさそうにこちらに近づき少し悪態をつく
「では中に入れ、問題を起こすなよ」
そうしてレイたちはロトを加えてロジンに入っていった
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「セリーナ俺は最初の目標として身分証を作ろうと思う、もう検問でグダるのはごめんだ」
「では、冒険者協会に行き冒険者カードを作りましょう。冒険者カードは身分証としても使えます。それに、冒険者協会に登録することで仕事をすることもできます」
冒険者かいろいろなゲームやアニメ漫画でよく見るやつだな、少し楽しみだ
「それで、冒険者協会は何処なんだ」
レンは目を輝かせ聞いた、そこには少年の面影を感じさせた
「それなら俺が案内するよ、ついて来い」
そういってロトが冒険者協会までの道案内をしてくれた
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十分ほど歩いてレンたちは冒険者協会の前についた
「ここが冒険者協会だ、中に入るときは少し警戒しておくんだな」
ロトが意味ありげに言ってくる
「なぜだ」
「それは入ってからのお楽しみだな」
ロトは意味深にニヤッと笑いながらこちらをみた、少しイラっとする
「そうか、んじゃ入るとしますかっと」
そうしてレンは扉を開けて中に入った
冒険者協会の中には多くの飲んだくれが騒いでいた
そういうことかこれは絡まれるとめんどくさそうだ
レンは少し頭を抱えた
「受け付けは何処だ」
「あれだな」
そういってロトは指をさした
ロトの指先には受付らしき場所に女性が二人立っていた
レンたちはそこに歩みを進めた
その間レンたちは物珍しがる視線や物色するような視線を感じた
「こんにちは!今回はどのようなご用件で」
「冒険者登録をしたいのですが」
「わかりました。では、お名前を教えてください」
「俺の名前はレンだ」
そういって受付の人はカードを取り出しそこに名前を書いている
「レンさんですね。そしたら、そちらの魔道具に触れてもらえますか」
受付の人は机の上にある水晶のようなものがついた機械にカードを挿入した。そして、レンが水晶に触れると水晶は発光し始め少しすると発光は収まりカードが出てきた
「こちらがレンさんの冒険者カードになります」
そういって冒険者カードが渡された
冒険者カードには名前、パーティ情報、冒険者ランク、活動履歴、ステータスが書いてる
この世界に来て始めてこの世界の文字を見るがなぜか読める。日本語ではないが読める。脳に直接文字の情報が入り込んでくるようだ。なんだこれは?まぁいい、それで俺のステータスはどうなってるんだ
ステータスは六項目になっていた、攻撃力、防御力、素早さ、知力、魔力、運となっているそれぞれアルファベットの評価されているようだ
攻撃力B防御力F素早さC知力D+++++魔力E運D
こんな感じか平均はEぐらいか基準がないからこれが高いのか低いのかわからんな
「なぁロト、ステータスの平均ってどのぐらいなんだ」
「平均かー....一般人だと平均Fかな冒険者だとEからDらへんで上は平均Aとか一握りだがいると思う。この町にいるかは知らないが、兵士だと平均DからCかなこの町の団長は平均Bぐらいだな」
「なるほど、となると平均Eは一般人より強いぐらいか、このD+++++ってなんだ」
「D+++++だとすごいプラスの量だな初めて見た。プラスっていうのは一時的または一定の状況でステータスが一段階上昇することを表している。この場合ステータスは五段階上昇する。となるとSSになりえる知力ということだ」
なるほど一部の分野では知力がとても高いという感じか....となるとこれは元の世界の知識が影響しているのかもしれないな
「こちらの冒険者カードによってレンさんは冒険者協会の後ろ盾を受けることができます。一部の国では検問をパスするのに使えますし、身分証明としても使うことができます。また、このカードがあることによって冒険者協会のある場所ではどこでも仕事を受けることができます。しかし、もしレンさんが規約違反を犯した場合。また、捜査願いが出た場合は冒険者協会は情報を捜査関係者に渡します。そして、冒険者カードの情報からすぐ捕まえることができるので気を付けてください」
受付が冒険者カードの説明を始めた
規約に関しては紙を見せられ書いてあることは常識的なことだった。
「それでは、これからの活躍期待しています!!」
そういって冒険者登録は終わった
「どうでしたレン、冒険者カードはできましたか?」
後ろで待ったいたセリーナが聞いてきた
「ああバッチリだ!見てみるか?」
そういってレンは冒険者カードをセリーナに渡しセリーナは目を通す
「意外とステータスは低いのですねもっと高いと思っていました。それにしてもこの知力はすごいですね」
「このステータスって低いのかよ、なんかいやになっちゃうな」
「いえ、ステータス自体は低くないのですが、森での戦闘を考えるともっと高いと考えていたのです。森での戦闘はこの知力が関係してるのでしょうか」
「なんだそういうことか、意外とこんなもんなんだろ」
レンはほっとしたようにしている先までステータスが低いと言われなよなよしていたのに起伏の激しい様子だった
「それじゃセリーナも冒険者登録してきなよ」
「もちろんです」
そういって淡々とセリーナは冒険者カードを作りに行た
手続きが進んでいくと水晶の発光がやたらと長い。やっと終わると受付が騒がしくなったが、少し長くして冒険者登録は終わりセリーナが戻ってくる
なんかやたらと長かったなんかあったのか
「セリーナどうだったステータスは」
前の話を聞くとセリーナは相当強いんだろう、この国の騎士団長は平均Bならセリーナは平均Aより高いぐらいか
「オールSSでした」
「「オールSS!」だと」
ロトとレンが口をそろえていった
またその声に反応して周りもざわついている
「やっぱセリーナって相当強いんだ。さすがだな」
「このぐらい当然です」
淡々としているがセリーナは笑みが少しこぼれていた
「強いってレベルじゃないですよ。一人で国家転覆できるレベルじゃないですか、本当に人間なんですか」
ロトが腰を抜かして驚いている。先までとは違いすごく焦っているようだ
「セリーナならそのぐらいできるだろ」
「当然です」
セリーナが胸を少し張っているようにも感じる
「当然ですじゃないよ。まぁ何かあれば冒険者協会のせいにしましょう、冒険者カードも作ったことですし、何とかなりますよね?」
ロトは自問自答を始めた、少し青ざめている様子でやはり焦りを感じさせる
「とりあえず、仕事するとするかセリーナ」
「そうですね、レンどれにしますか?」
そういって二人は依頼が張られている掲示板に目を通し始めた
ロトはまだ自問自答を続けるのであった