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2(封印)


頭の中でしゃべる女性のいう通りに森を進んでいった


その間にいろいろな魔物と遭遇した弱い順にスライムのような奴、ゴブリンのような奴、オオカミのような奴、腐食した人間、動く骨、二足歩行の大きな豚、大きな蜘蛛、大きな蛇、カブトムシと人間を足して二で割ったような奴に会った


俺一人で倒せそうだったのは動く骨までだった


それより上のやつは見た時に「死」確信した


ほかの魔物でももちろん命の危機を感じる。しかし、動く骨より上の魔物は確実に死ぬということを悟らされた


奴らのプレッシャーは半端ない。


特に最後のカブトムシと人間の近くにいた時は息をすることもままならなかった


そのため俺は魔物に接敵することをなくすため、魔物を避けることに注力した


音、匂い、視界多くのものに注力し歩みを進めついに目的地に到着した


しかし、そこは俺の求める場所ではなかった


:::::


「到着しました」


「到着しましたっね。ここは森の外ではないようだが?」


俺の前には南京錠の掛かった鉄の門があった


大体察してはいた


明らかにこの女性の道案内は森の外ではなく森の奥に進んでいるように感じていた


魔物は強くなっていくし、先の場所より木々は大きく育っており木々の間からはもはや光がほとんど差し込まなくなっていた


「森から出たいのでしょう、ちゃんと協力しますよ」


女性の声は穏やかで、本心のように思えた。しかし、男は次の言葉に少し警戒心を持った


「でも、その前に少しやってほしいことがありましてね」


そういうことかこいつはもとからこれが目的だったのか


男は驚きというより冷静に思考した


相手の本心を知れるのはいいことだ。今までどことなくこの女性が企んでいるようで奴のすべての言動に警戒して疲れが生じていたがこれからは部分的な警戒に持っていけそうだ


「それで、やってほしいことは何だ?」


「それは、見ながら説明したほうが速いので、とりあえずその門を開けてもらていいですか?」


「わかった」


門には南京錠がついているが結構錆びついていて俺にも壊せるように感じた、とはいえ素手で壊すのは無理だ。であれば、そこら辺に落ちている丈夫そうな枝を使いてこの原理を用意て


「おらよっと」


バッキ


この音は南京錠が壊れた音ではなく枝が折れた音だった


「意外と固いな」


別に枝が腐食していたわけではない枝の中は白樺のような強度の低いものではなく欅のような強度の高い枝だ。それに、南京錠も結構さびていてこれでいけると考えていたのだがどうやらこの南京錠は見た目よりも固いようだ


「まあいい」


仕方ない、次は石を使って南京錠のフック部分をこじ開ける


「パキン」


今回は南京錠が壊れた音だ


意外と時間がかかったそれよりこの中には何があるんだ


だが何となく察せる。こんな森の奥にあるものがいいものであるはずがない


「ようやく壊せましたか、それでは中に入ってください」


「わかった」


俺は少しの不安と恐怖を抱えながら、鉄の門を押し開けて中に足を踏み入れた。


:::::


門の中は異様な静けさに包まれていた


数歩進んだところでそれを見つけた、いやそれというのは失礼か彼女を見つけた


「これはおまえか?」


そこには女性がいた、彼女は銀糸のような白髪を腰ぐらいまで伸ばし若々しかった。しかし、本能的に彼女は自分より圧倒的に年を取っているのを感じる。また、絶対的な力の差を感じさせた。そして、何より目奪ったのは彼女のむ、グッ、耳だ。普通の人間にはない長い耳を持っていた。彼女は五角形の光の紋章に照らされ、まるで寝ているいや、死んでいるようだった。だが、俺の直感は彼女が「生きている」と告げていた。


「はい、そうです。お願いがあります。あなたにはこの封印を解いてほしいのですができますか」


「わかった。でも、封印されているということは君は何かしらの危険な存在ってことだよな。そんなの解かない方がいいんじゃないか?」


「確かにそうかもしれませんね。しかし、その場合、あなたはこの森から出られず、いずれ飢え死にすることになりますがそれでもよろしいのですか?」


「全然いいよ、俺のせいで大罪人を世に解き放つわけにはいかないからな」


間髪入れず男は答えた、そのことからも男に迷いはなく死への恐怖を感じさせない


「やはりあなたは少し普通ではないように感じます」


女性はため息交じりに言った。彼女の声には、どこか諦めと失望が混じっているように感じた。そして、それは手を差し伸べたくなるような気持ちにさせてきた。それは演技のようにも感じたが彼女の人間性によるものだと感じる


「いや、これは普通だろ俺一人のせいで多くの人が不幸になるわけにはいかないだろ、合理的だ。それより君は何でここに封印されているんだ」


「あまり話したくはありませんが仕方ありませんね。あなたはそれで判断するのでしょう?封印を解くのか、解かないのか」


「すまない、でも少し助けたくはなってきたよ」


彼女は重い口調で、自らの過去について語り始めた。

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