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クラゲリウム

作者: ばんこ。




その日 黒点がはじけて

硝子体の中に 海月が生まれた


まぶたを閉じれば 太陽の光を糧に

海月は触手をなびかせながら

硝子体の中を悠然と漂っている


どうせ勝手に住まうのなら

せめてその触手で彼の人を形取ってくれれば

少しは慰められただろうか


その日 世界がはじけて

硝子体の中に 無数の海月が生まれた


視線を巡らせば あとを追うように

海月の群れが

硝子体の中をゆらゆらと泳いでいる


まぶたの裏にやきつけるなら

せめてサンドアートのように彼の人を描いてくれれば

少しは怖くなくなるだろうか



やがて彼らに「なまえ」がつけられた



いつか たくさんの涙が

彼らを海の彼方まで運んでくれる事を

願っている




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― 新着の感想 ―
[一言] こんばんは、つぶらやこーらです。 拝読しました。 いきなりやってきて、そこに長く居座られる。 居座られる側としてはたまったものではなく、どうにかしたく思う。 けれども、それがどうにもままな…
[良い点] クラゲリウムの製作体験がおありでしょうか? 「黒点がはじけて」「海月が生まれた」の始まりで、何をつくるのかウキウキしてしまいました。そうしたら、実は深い内容が比喩されていて、すごいと思いま…
[一言] 投稿お疲れさまです。 硝子体のクラゲって、わかるような気がします。 視線をユラユラと追いかけて来ますよね。 主人公さんは、大量発生してしまったのですね。 それは大変だと思います。 私も一時期…
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