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底辺冒険家通信  作者: ニーティス亭夢★職
9/10

精神破壊テロ「美味しんぼ根性」の功罪4

グルメ漫画の仮面を被った、我々、一般人に、勝ちか負けか。


二者択一を強制し、それ以外を認めさせない、日本を駄目にした、恐怖の国民的精神破壊テロ、「美味しんぼ」根性の功罪。


「今日の我々は、自分の今を日々、「美味しんぼ根性」に照らし合わせて。勝ちか負けか? 二者択一で決めつけ。無思慮に一喜一憂し、恥ずかしいほど、なんかもう、必死でしょう、じゃないですか?」


確かに気づかぬうちに。


我々は、自分の現状を、知らずしらずのうちに、勝ち組か負け組か?


「美味しんぼ根性」に照らし合わせて、自分自身で決めつけ、そこを起点にし、自分自身の負け組扱いを回避すべく。


居もしない対戦相手を、必死に負かすことに、自分の精力を無駄に全空費している。


殺巣クンは、突然、電話越しに、デス声で叫んだ。


「それ、あなたの意見ですよね?! 人生に勝ち負けなどない。多様な生き方を、自分が肯定すれば、「美味しんぼ根性」など、もうなんの効力を持たないんデスよ!」


多様で自由な生き方も選べない、こんな「美味しんぼ根性」の世の中なんて、ポイズン..


殺巣クンの「論破」は、おそらく正しい、だが。


これからの日本を託したくなるような。


若い「Z世代」らしい殺巣クンに、バブルの洗礼を受けた、昭和の「新人類世代」として、


「ただ、サ。今、大流行の「論破王」なんていうのも。「美味しんぼ根性」から派生した、勝ち組負け組理論ありきを利用し、自分だけが金儲けするための、情弱向けのビジネス設定じゃないのかな?」


老婆心から訊ねると。


「フッ..あいつはいい尻に敷かれていますよ」


「美味しんぼ根性」に照らし合わせたら、我が家は究極の負け組ファミリー。


無思慮に「美味しんぼ根性」に取り憑かれ、負け組認定への恐怖から逃れるべく。


家族全員で、お互いへの無意味なディス合戦を繰り広げていた外野が、急に静かになった隙に、殺巣クンは謎のワードを提唱した。


「確かにあの子は、「美味しんぼ根性」チルドレンです」


40過ぎても若者。


ヤングアットハートを自認する中年男を、あからさまに冷笑して見下す、夢★職、KBおじ、MKKK(無期限活動休止)系ガチ勢の殺巣クンは。


実は「美味しんぼ根性」どストライク世代であり。


そこから派生した情弱向けの悪癖、論破王などというビジネス設定を駆使し。


無意味、無分別で、情弱相手の金儲けに邁進している、「美味しんぼ根性」チルドレンと、同世代..


だが、その立場は天と地..


「悲しいですよね..僕がどんなに「美味しんぼ根性」を論破しても、僕の顔面に騎乗し、身動き取れないほど尻に敷いてくれる、運命のオンナなんて、僕には絶対に現れはしないんですから..」


お前は何をいっているんだ..


やはり姿なき、匿名希望の殺巣クンは。


若いZ世代などではなく、自称若者の、アラフォーのオッサンなのだろうか?


「殺巣クン、底辺といえどもサ、最低限の気持ちの潔癖、清潔さは必要なんじゃないかな」


目上として説教する気はないが、例え今が最底辺の我々でも。


「美味しんぼ根性」を華麗に論破した今、人としての最低限の気位は持ちたい。


そんな今年59歳の、同じ気持ちヤングの、国内底辺学者(別稿)を見透かすように。


「さとしセンセイ。僕はオヤジな下ネタで、「美味しんぼ根性」論破の手綱のお茶を濁し、下品に緩める気なんてないですよ」


相変わらず、匿名希望のボイスチェンジャー使い。


殺巣クンは、サイコキラー系デス声を、そこで一瞬休ませると。


「ただ、僕らは男です。その中には、女の尻に敷かれたが故に、偶然「美味しんぼ根性」を超越してしまった。という、驚くべき事案がある。それだけはお伝えさせてください」


そ、それはいったい..


私は思わず生唾を飲まずにはいられなかった。


(続く)


構成 文責 大倉さとし (国内底辺学者 国内底辺研究所 所長兼 主任研究員)


#多様性を考える

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