精神破壊テロ「美味しんぼ根性」の功罪2
「吉野家の牛丼となか卯の牛丼。どちらが至高、もしくは究極ですか?」
ひりひりとした、金属質の、人間味のない変声だった。
「難問だね。松屋やすき家は、殺巣クンチョイスには入らないのかい?」
しばしの沈黙の後、
「確かになか卯の牛丼は、他のメジャー三社とは、位置づけがちがいますよね」
MKKK男子は、在宅率が高い。
店内より持ち帰り。
それも、自分のK部屋の前に、プラ容器に箸、ペットボトルのお茶を、お母さんが置いてくれる。
となると、殺巣クンの口に入る牛丼店の選択は、お母さんの活動範囲に限られるのかもしれない。
「ネタばれすると、僕はどの牛丼も食べたことがない。母が、生き物を殺生するのはよくない。だから、僕のおふくろの味は..よしましょう」
殺巣家は強制ヴィーガンなのか?
「なのに、日本人の精神を根底から卑屈にした。フフフ、グルメの仮面を被って偽装した、食い物にまで勝ち負けをつける、史上最悪の日本民族精神破壊系テロ漫画は。なぜか居間の本棚に全巻揃っていて、いつでも読めるようになっているんですよ」
そ、それはなんていうタイトルの漫画なの?
そんなPTAを通じて焚書にすべき悪書、タイトルを今すぐ教えてくれめんす!
喉元まで出かかった。
そんなろくでもない漫画が、現代日本に存在するなんて、私(大倉)には初耳だった!
だが、殺巣くんの、漫画ではない、現実に置かれている、今の立場を鑑みるに。
ググれカス。
私は自分を強く戒めた。
「好き嫌いしかないはずの、食い物にまで勝ち負けをつける選民根性。また出てくる善人キャラが、揃いも揃って独裁国家のプロパガンダドラマの、安っぽい登場人物並みに、中身のないうさんくさい、張りぼての低能ばかり」
このヤギのえさを作ったのは誰だー!
突然、電話口から、昼間から泥酔したような、酒焼けしたしわがれ声の絶叫が轟いた。
「だ、大丈夫かい? 取り込み中なら、続きはあとでもいいよ」
命あっての物種、なんていう。
この生々しい肉声は、殺巣クンを的にかけている酒畜に違いなかった。
こんな男に亡き者にされ。
立派に親の責任を果たした兄はニッポンのサムライ。
などと、親族に、裁判で証言されるくらいなら..
「ああ、すいません。でも心配ご無用。母なら婦人会の集まりで留守ですし、通信JKのギャル姉は、トー横かSNS上にしかいませんから」
なんて一目瞭然な..
「あの作者は、してやったりでしょうね。我々を日本人を、勝ち負けの二者択一地獄に陥れて、日本史上最悪最低の精神テロリストでありながら、そのことを誰からも気づかれてもいない。してやったり! いつ死んでもおかしくない老害は、一人暗黒微笑でしょうね」
道に外れた外道しても、罰が下るものもいれば..か。
「大倉氏、僕は声をあげますよ! 今すぐ捨てましょうよ、このくそくだらない美味しんぼ根性を!」
〇してやるー! 誰が負け組だー! どいつもこいつも〇してやるー!
美味しんぼ根性の奴隷、酒畜、高齢MKKK父が、また無駄に叫んだ。
文責、構成 大倉さとし(国内底辺研究所所長兼主席研究員)
(続く)