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出戻り冒険者の3度目の挑戦。  作者: タカユウサ
3/4

昔話の終わりと旅立ち

 魔王を倒した後、パレードに参加し、ギルドで祝いをして、王宮に行き、褒美をもらった。


 バレードは華やかで、どこの村、街に行っても歓迎され、飲み食いはもちろん、メンバーと遅くまで遊んだ。そして、ギルドに戻れば、今までの旅の話や馴れ初めやら何やら、同じような話が多かったが楽しく過ごした。


しかしこの楽しい時間は長くは続かない。魔王が倒れても魔族は残り、人間に協力したものはまだ残っている魔領に帰ることもできず、人間の世界に留まっても、いずれは考え方の違いや、何か起きたとき、状況は変わるかもしれない。

 時々抜け出しては、どうするか考えながら、夜空を見てると勇者がすぐに隣に来て、話しかける。


「抜けるつもりか?」

オトコは顔に手を当てながら答えていく。

「分かるのか」と言うと、

 勇者はため息をつきながら、

「お前は、人とうまく付き合うのが苦手だからな。そう考えるだろうよ。」

肩に手をのせて答えていく。


オトコは空を見ながら、答えようとしたが、その前に有者がさえぎる。

「今度の褒美をもらって、しばらくはゆっくり過ごせ。褒美の内容は伝えてある。気に入らなきゃ、辞退すればいい。」

 そう言って手を振り、離れた。

 オトコは、身を任せるのもありかもしれない。そう考えて、またパーティーのもとへ今は戻った。

 

 オトコには、ギルドからどこのギルドでも世代を超えた永久担当制がつき、好きなときに冒険者に復活できる権利をもらった。

 住んでる村には世話をしてくれる家族の担当制が出来た。そして、広めの家で家具も揃っている。何もしなくても普通に生きていくには、条件が揃っていた。


 そして彼は、引きこもりになった。

 褒美をもらうとオトコは勇者と決めた通り、すぐにギルドやパーティーを離れ、与えられた家に落ち着くことにした。

 

 50年後、再び魔族の王が現れ、世界が危機におちいった時、彼は再び立ち上がった。


 徹底的に何もしない彼に、村の見る目も変わって、痛い目で見られたが、冒険者復帰のニュースで逆転した。


 立ち直った彼が活躍するのを待っていた村は、かっての栄光を思い出し、総出でこころよく彼を送った。

 そして、3ヶ月後戻った彼の姿を見た。彼はそのまま、ひきこもった。


 「何でだよ」と村人が怒るのも無理はない。彼は二度目の引きこもりに入り、世界は別の勇者パーティーに救われた。


 また50年後、再び魔族の王が現れた。その間に彼がしたことは、世話になった家族の子どもの面倒を見ることと。村で活躍できる冒険者の世話をしたこと。村から街へ王宮へ、多くの冒険者を送り出したこと。


 その地味で長い取り組みは多少の感謝はあったものの、世界を救ったパーティーの一員の活躍とは程遠く、村の中では、期待はずれの雰囲気が作られていた。

 オトコが育て、もっと大きな舞台で活躍しようとする旅立つ冒険者も、早くこの小さな世界から離れたかったと言われる始末だった。


もはや彼に期待するのはほとんどいない。驚いたことに、その扱いにオトコは怒らず、ずっと流していた。

 その反応に一人また一人、オトコから離れていくものが多かった。

 ただ、それでも小さいときに助けられたことを忘れずに感謝するものもいた。 

 そして、オトコの世話を任された家の主人の態度が変わり、新たな魔王のニュースで事態は変わっていく。


 その家の子で、オトコの冒険談を聞いて育った子がいた。

 名前は、さやか。髪型は少しはねて、ポニーテール。悪いこと考えてなさそうな表情でいつも笑ってることが多い。小さな頃はピヨ扱いされている。友達の悩みに全力でこたえる努力家。

 ある時、オトコが父親に悪く言われているのを聞いて、すごい形相でオトコをかばい、魔王をまたオトコが倒すと啖呵たんかをきって、オトコと家を出ていく。 

 父親は、そんなほとんどひきこもっているオトコに何が出来ると捨て台詞を言い、家を出て行けと二人を追い出す。


 姉や弟は、さやかをかばうが話は通らず、二人は急いで村を出ていく。

 その様子を遠くから見て、慌てて一緒に村を出るものがいた。どちらもオトコのもとで鍛えられた。

 

 1人目はさやかの親友のれいで、見た感じは、クールで優秀に見られがち。白黒はっきりつけて、口調がきつく友達は少ない。髪はおかっぱが長くなったようで、アホ毛が、たってる。

 2人目は、れいかで、まとめ役を任せられることもある。

 オトコが、二人を見て考えている間に三人で話を決め、すぐに村を離れた。


 オトコは再び、3度目の出戻り冒険者になる決意で村を出る。半ば、無理やり三人に手を引かれて、連れて行かれる

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