10月17日 vs『number』
夕暮れ時のグラウンド。茜色に染め上げる頃、俺たちは『number』との戦いに向けて準備をしていた。サッカーゴールの近くには、『number』の不良たちが続々と入ってくる。どんだけいるんだよ、マジで。俺たちに勝ち目は薄い。それでも、20人やればいいんだろ。俺は自分にそう言い聞かせていた。『number』の面々は、黒の学ランに身を包んでいる。この前は、こんな感じじゃなかったのにな?もしかしたら、今日みたいな本気の時は着るんだろうか?
俺は、先頭に立ってグラウンド中央へ向かっていた。俺に続くのは、鴻野。後ろからただならぬ鋭い眼光と引き締まった表情が見える。流石だな、鴻野。まだ、この前のケンカの傷が治っていないはずなのに。鴻野の後に続くのが、緒方、生田目。いつもは、コイツらが活躍する場面が少ないけど、今日はやってもらわなきゃ困る。『number』の塩谷、梯は、赤の学ランを着て話している。頭である塩谷は、他の者を寄せ付けないカリスマ性を漂わせながら、ゆっくりとグラウンドへ歩を進んでいるようだ。
中央には、『TWO』の難波と藤間が立っている。他のメンバーは、今日はいないみたいだ。アイツらは不敵な笑みが浮かべながら何かを楽しんでいるようだった。『number』同様、コイツらにもあまりメリットがないはずなのに。両チームの俺たちがグラウンドに揃った。緊張感が一気に高まる。空気が重くなり、まるで嵐の前の静けさのようだった。俺は、塩谷と互いの目を凝視しあう。そして、難波が口を開いた。
難波「じゃあ、今から始めるぞ!!」
塩谷「ルールは?」
そうだ。それが重要だ。この人数をどう倒すか。コイツらを倒す前に、塩谷さえ潰さればな。
難波「川原たちが塩谷を倒せば勝ち。塩谷は、体育館にでもいろよ」
俺が塩谷のところまで行かなきゃいかねぇのかよ。めんどくさいな。
塩谷「なるほどな。お前らが俺らのところに辿り着けるかってことか」
難波「まぁ、そういうことになるな」
まぁ、いい。鴻野は青西に勝ったんだ。塩谷も大したことはないだろう。俺が本気を出せば負けるはずがない。いける。
俺 「大丈夫だ」
難波「じゃあ、始めるぞ?」
目の前の『number』の奴らが俺たちの後ろを指差しながら何やら騒いでいる。すると、緒方が後ろを振り向いているのがわかった。俺もそれにつられて振り返ったのだった。




