10月16日 明日
明日行われる『number』とのケンカ。おそらく、向こうはチームのほぼ全勢力を集めてくるだろう。80人くらいはくるだろうな。普通にやれば、俺たちが勝つ未来は見えない。もし、勝てるとしたら、それはタイマンの時だけだろう。青西が負けた今、タイマンではやらない。静寂に包まれる教室の中で、音が響き渡った。それは、机の近に置いてあった俺のスマートフォンから発せられる着信音だった。スマホを取り見つめると、そこには川原の名前が記されていた。なんだ?ボタンを触り、着信に出た。
俺 「もしもし」
川原「もしもし、今いけるか?」
どこからかけているのだろうか?後ろから風の音が聞こえる。もう、学校内にはいないのだろう。
俺 「ああ、どうした?」
川原「明日なんだけどさ、俺たち4人でどうヤルか思いついたか?」
相当悩んでいるみたいだ。けど、そんな方法なんてない。真正面から行ってやられるしかない。なんせ、向こうは80人近くいるのだから。一人20人近くやらないと倒せない。
俺 「思いつくわけねぇだろ?」
川原「ハハハハ」
電話の奥でとても笑っている。そんなに笑われても困ってしまう。けど、アイツも困っている。少しは安心させないとな。
俺 「ただでさえ、俺の怪我が治ってないんだから」
川原「まだ、治ってねぇんだ?」
悔しいけど、明日は本調子では挑めないだろう。それでも、腕がちぎれるくらい頑張りたい。
俺 「1週間も経ってねぇのに治るわけねぇだろ」
川原「そうだよな」
珍しく川原は受け入れてくれた。しかし、俺は勝てるイメージが浮かばない。
俺 「もし、やるならどうにかしてお前を塩谷とタイマンにもちこませるしかないな」
川原「できるか?そんなこと?」
普通に考えたらできない。けど、できないのではなくやるんだ。俺は、心の中でそう誓っていた。
俺 「やらなきゃ、負けるんだ。やるしかないだろ」
川原「それは、頼もしいな」
コイツに学校一の光景を見せたい。そのためには、『number』なんて楽勝に超えなきゃならない壁なんだ。
俺 「だろ?誰か助けに来てくれたら別だけど」
川原「そんなのあるか?」
俺 「そんな正義の奴いないだろうな」
川原は、大きく返事をした。自信がないのはわかる。それでも、やらなきゃならない。明日は、『TWO』の難波たちもいる。証人たちの前でやるしかないんだ。




