8月21日 『G』
10強には、派閥がある。1年を仕切る与田と馬場の「G」。青西、塩谷、梯がいる「number」。妻夫木、鵜飼、西条の「琉角」。そして、銀何高校最強の難波と藤間がいる「TWO」。4つのチームから構成されていた。
特に、難波と藤間がいるチームTWOは、6人と少数精鋭だ。ただ、二人がいることもあり、どこのチームも校内で喧嘩をしかけてくることはない。
喧嘩をするとしても、この10強に向かってくるものに対してだろう。まさに、今がそうだろう‥‥。俺と側にいた男は、体育館に入った。すると、血だらけの梶原や山﨑が倒れ込んでいた。他にも5人くらいいた。
さっき男から教えてもらった1年の与田と馬場らしき人物がいた。
与田「誰?」
俺 「は?先輩やぞ。口の聞き方つつしめ」
馬場「それは、俺らに勝ってからでしょ?先輩」
俺 「おい。へぇ、俺って、こんななめられてんの?」
一緒にきた男に質問した。
男 「しるかよ」
与田「お前、もしかして、鴻野か?」
男 「さっき、コイツの話聞いてなかった?口の聞き方には気をつけろや」
一緒に来た男は、鴻野というらしい。
与田「うるせぇな。じゃあ、さっさとケリつけようか」
"いけぇー"。
与田の合図とともに、30人くらいの1年が一気にかかってきた。俺と鴻野のところへ、それぞれ別れてきたようだ。俺は、一番早く来た奴を、足で蹴飛ばし、後ろから来た奴もなぎ倒した。そのまま、俺も突っ込み、顔面に強力なパンチをいれてやった。10人ほどいた奴も、気づいたらほとんどいなくなっていた。一方、鴻野の方も全員倒れこんでいた。鴻野は、攻撃だけでなく防御も凄く、ダメージは、ほとんどなかった。与田と馬場は、焦った様子で俺たちの方を見てきた。
与田「やるじゃねぇか、じゃあ、タイマンでけりつけようか」
馬場「じゃあ、俺は、こっちのロング野郎いくかな」
鴻野「フフ。俺じゃなかったら、まだ勝てるみこみあったのにな」
馬場「余裕だな」
鴻野「川原、俺が先にやるから、見とけ」
俺 「ふーん。じゃあ、見といてやるよ」
2年鴻野vs1年馬場のタイマンが始まった。馬場は、勢いよく、鴻野に仕掛ける。得意の右腕で鴻野の顔面を狙う。しかし、全く当たらない。まるで、どこに殴ってくるかわかっているかの様だった。馬場は、当たらないが、攻撃を続ける。馬場の右ストレートをよけた鴻野は、素早く切り返した。そして、鴻野の左脚が馬場の顔面をとらえた。