8月20日 ヘルプ
俺は、学校に着くと、いつものように机に顔を伏せようとしていた。今日は、やけに人が少ないみたいだ。俺には関係ないからいいが。すると、山﨑が俺のところに走ってやってきた。
山﨑「おい、川原。今からこれるか?」
息をするので必死な様だった。
俺 「は?」
山﨑「実は、梶原と正木がやられたんだ」
俺 「知るかよ。そんなん勝手にやってくれ」
朝から喧嘩かなんかしているのか?
山﨑「俺たちも今から行くんだけど、やられそうなんだよ」
俺 「うるせぇ。俺には、関係ねぇ」
山﨑「そこをなんとか、頼むよ」
必死に頭を下げてきたが、俺は喧嘩しようと思う気分ではなかった。
俺 「もう、うるさい。寝させてくれ」
山﨑「そこをなんとかさぁ。このクラスで勝てるやつは、お前しかいねぇんだよ」
すると、そこに1人の男がやってきた。
俺 「ほら、今一人来ただろ?アイツに頼め」
山﨑「頼むよ、来てくれよ」
俺 「俺をキレさせてぇのか?」
俺に睨まれてひるんだ。
山﨑「わかった、わかった。もし、暇だったら、来てくれ。体育館にいるから」
山﨑は、俺にビビって、急いで教室を出て行った。俺は、山﨑が出て行くのを見て、再び顔をおろした。ドンドンドン。山﨑と入れ替わるように、誰かが教室に入ってきたようだった。何かを必死に伝えてるが、顔をうつ伏せてることもあり、よく聞こえなかった。今度は、また、別の男の様だった。
「おい、大丈夫かぁ」。俺は、この声とともに、顔を上げた。すると、男は、血だらけで倒れていた。教室には、倒れた男を含め4人ほどしかいなかった。俺は、倒れた男の方に目をやり、立ち上がった。
男 「川原、、、、」
俺 「‥‥‥」
血だらけの男を見て、唖然とした。
男 「俺は無理だ。後は、任せてもいいか?」
俺 「‥‥。体育館か?」
男 「あぁ」
助ける気はねぇが、どんなもんなのか見てやろうと興味をもった。「行くのか?」。後ろから声をかけてくる男がいた。
俺 「ん?」
後ろを振り返りながら、答えた。そこにいたのは、目にかかるくらいの長髪男子だった。耳にはピアスを空け、ホストみたいな格好をしていた。男は、壁にもたれながら、俺の方を見ていた。
男 「相手は、1年だぞ」
俺 「余裕じゃねぇか」
男 「お前、"10強"知らねぇのか?」
男は、"10強"について語り出した。