9月6日 仕切り直し
少しずつ、脚も回復してきた。俺は、今後のことを考えて、いつ『琉角』を倒すか考えてきた。鴻野は、相変わらず淡々と学校生活していた。
ー9月3日ー
体育館裏にいた俺は、鵜飼に圧倒的な強さを見せつけられていた。そして、座りなながら、鵜飼と鴻野の話を聞いていた。
鴻野「お久しぶりです」
鵜飼「元気してんのか?」
二人は知り合いの様子だ。鴻野は、相変わらず、知り合いが多い。
鴻野「おかげさまでね」
鵜飼「コイツ、お前の知り合いか?」
即答は、しなかった。5秒ほどの沈黙ができてから答えた。
鴻野「知り合いも、何も同じチームですよ」
鵜飼「へぇー、お前も偉くなったもんだな」
昔の鴻野のことを知っているのか?
鴻野「いやいや、鵜飼さんほどでもないですよ」
鵜飼「じゃあ、ここでケリつけようか」
鴻野「上等ですよ」
鴻野は、やる気になっていた。ここで、コイツが勝負する意味はねぇ。
俺 「鴻野、やめろ。コイツは俺がやる」
壁にもたれかかりながら、鴻野を制止させた。
鴻野「そんな体でやれねぇだろ」
俺 「うるせぇ」
もう少し、体が動けばな、、、。やれたのに。
鵜飼「なんだ、お前がやんのか」
俺 「当たり前だ。俺に"負け"の二文字はねぇんだわ」
必死に力を体に入れる。
鵜飼「フフフ。おもしろい」
俺 「うるせぇ」
完全になめられている。それも仕方がない。
鵜飼「威勢がいいのは素晴らしいけど、今のお前とやっても負けるだけだぞ」
俺 「ああ?なめんな」
脚をさすりながら、答えた。
鵜飼「お前が負けたらチームもクソもねぇぞ」
俺は、何も言えなかった。
俺 「‥‥‥」
下を向かながら、応えた。
鵜飼「お前の言う通り、俺たちに"負け"はねぇんだよ。負けたら次はねぇぞ。本調子の時にこいよ。いつでも相手してやる」
鵜飼の言う通りだ。今、ツッコンでいっても負けてしまうのがオチだ。
俺 「ああ」
鵜飼「じゃあな。2年ども」
鵜飼は、上着をとりながら帰っていた。
鴻野「大丈夫か、川原?」
俺 「ああ。それよりも、アイツら探しにいくぞ」
鴻野「おっけ」
俺 「肩かせや」
鴻野に肩を貸してもらいながら、俺は歩いて行った。