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9月5日 鵜飼善郎

 2日経った今日も、傷は何も回復していない。俺は、病院のベットから外の景色を見ていた。

 

 ー9月3日ー


 体育館裏に来てみたが、緒方や生田目は、いない。俺は、戻ろうと決めた。その時、俺の目の前に現れてきたのは、坊主頭の男だった。まるで、高校生の顔つきではない。


 鵜飼「俺らのところで、勝手に暴れたらダメじゃない?」

 

 俺 「誰?」


 鵜飼「俺?『琉角』の鵜飼だ。時間やるから、早く出て行け」


 俺 「‥‥」

 鵜飼「聞こえなかった?」

 俺 「なんで、指図されなきゃダメなの?」

 鵜飼「うーん。それなりの覚悟があるということでいいかな?」

 俺 「上等だろ」

 鵜飼「いいね。それくらいじゃないと」

 

 ざっと見た感じだと、さっきの連中たちとは比べものにならないほどのオーラだ。


 鵜飼「ルールは、どうする?」

 俺 「そんなもん、ねえよ。倒れるまでだよ」

 鵜飼「威勢がいいな」


 鵜飼は、男を呼び何やら、話している。鵜飼に呼ばれた男は、俺と鵜飼の間に入った。審判ってことか。


 男 「じゃあ、はじめますよ。いいですか?」


 俺は、カバンをおろし、腕を回した。おそらく、コイツは、この前やった葉山と同程度と言っていいだろう。気を抜いたらやられる。問題は、どんな闘い方をするかだ。


 鵜飼「いくよー」


 男は、スタートの合図を示した。鵜飼は、勢いよく、俺との間合いを詰める。俺が様子を見ていると、俺の右脚に蹴りを入れてきた。攻撃の勢いが凄まじい。与田や馬場とは比べものにならない。続けて、俺の腹を右腕でえぐる。さっきの痛みもあってか、鵜飼の攻撃を防げない。腹をえぐられ、止まると続いて顔面ストレートをくらい、吹っ飛ばされた。

 ダメだ。力の差がありすぎる。想定していた以上だ。ここで、負けたらどうなるんだろう?俺は、そんなことを考えていた。鵜飼は、すぐに殴りかかることはなかった。こんなことになるなら、投げた方がいいのだろうか?ゆっくり、俺のところまで歩いてきた鵜飼を見て思った。


 鵜飼「大丈夫か?」

 俺 「傷がいてぇな」

 鵜飼「まだ、やるには早かったな」

 俺 「うるせぇ」


 後ろから、もの凄い走ってくる音が聞こえてきた。鵜飼は、後ろをふりかえって、"鴻野じゃねぇか"。どうやら、俺のところに来たのは、鴻野だった。俺は、後ろをふりかえった隙を見て、起き上がった。

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