9月4日 探して
俺は、昨日の怪我の痛みともに目が覚めた。ろくでもねぇ朝だ。Tシャツを少しめくり、傷のあとを確認した。
ー9月3日ー
俺は、駆け足で体育館裏に向かった。何人かの生徒が談笑していたが、そこに、緒方と生田目の姿はない。やっぱり、ここじゃなかったか?諦めて、屋上に目的地を変更した。すると、軽い鉄が転がり落ちる音が聞こえてきた。後ろをふりかえると、そこには、3人ほどの生徒が俺を睨んでいた。
生徒「おい、兄ちゃん。ここが、どこかわかるか?」
俺 「あぁ?」
俺は、首を左右に動かした。
生徒「ここが、どこかわかるって聞いてるけど?」
俺 「体育館裏やろ」
言葉を言った次の瞬間、俺は、話してきた男の右脚が腹に直撃した。
生徒「一回で応答しろや、ボケ」
俺 「うっ、、、」
上手く声が出せねぇ。俺は、腹をさすりながら男を見ていた。おそらく、俺が首を左右に動かした瞬間を見ていたのだろう。やられる前に、やろうという考えが気に食わない。
生徒「ここは、俺ら『琉角』の場所なんだよ」
男が大きな声を出したせいか、奥から生徒がやってきた。ここは、『琉角』の場所だったのかぁ。くそぉ。緒方や生田目を探すために来たのに、こんなことになるなんて。生徒たちは、ざっと、7、8人ってとこか。俺は、カバンを置き、さっき攻撃した生徒を目がけて走り出した。
生徒の脚にしがみつき、無理やりこかし、右ストレートを決めた。すると、他の生徒も襲いかかってくる。しかし、右腕と右脚を上手く使いながら、倒していく。マッシュルームのような髪の毛を俺の脚にしがみつくと、俺は、目の前にいた別の生徒の顎をえぐった。前方に飛んで行ったの目にした生徒は、俺から、少しずつ距離をとっていく。勝てないと判断したのかアイツらは、体育館裏へと帰ってしまった。少し怪我をしたが、なんとか勝利することができた。
ここが、『琉角』の溜まり場なのであれば、ここにいるのはマズい。ましてや、30人ほどの規模なら、なおさらだ。ただ、ここから、屋上までは反対方向。走って行っても、5分程度はかかるだろう。それまでに、さっきのヤツらがこないかは、心配だ。俺は、地面に置いていたカバンを拾った。さっきの蹴りで、微妙に体が重く感じていた。俺が前に歩き出そうとした瞬間、体育館裏から大きな悲鳴が聞こえてくる。後ろをふりかえると、さっき倒れた生徒が見え、俺の目の前に別の男がやってきた。