8月31日 『琉角』
眠い。朝から上手く睡眠がとれていない。それも、全て昨日のカレーのせいかぁ。
ー8月30日ー
先ほど外に出てきた短髪の男が戻ってきた。
緒方「つまぶき?」
男は、手をあげた。
妻夫木「こんなところで、何してんの?」
緒方 「普通に、働いてるだけですよ」
緒方は、割れたグラスの破片を拾い集めていた。
妻夫木「そんなにビビるなよ」
緒方 「いやぁ、そんなことないですよ」
ビビっているというよりは、困っているという表現の方が近い。
妻夫木「コイツ、誰?」
緒方 「あぁ、お客さんですよ」
男は、俺の方を見てきた。
妻夫木「お客さんねー」
緒方 「ほっときましょ」
妻夫木「アホか。いつから客がこんな悪さしてよくなったんだよ」
二人の会話がだんだん大きくて聞こえるようになってきた。妻夫木は、俺の方に近づいてきた。
妻夫木「誰だ、テメェ?」
俺 「テメェからななれよ」
"妻夫木さん、一般客なんで手を出さないでくださいよ"
妻夫木「ん?」
俺 「なんか用あるんすか?」
俺の視界に現れた時点で俺は、戦闘モードだ。
妻夫木「こいつらやったんテメェか?」
俺 「あぁ。俺が気持ちよくカレー食べてきたら、大きな声出して暴れたからなぁ。そんなん見逃した方がよかったか?」
妻夫木「それは、俺でも腹立つわ」
意外と話がわかるやつで安心した。
俺 「よく、わかってるね」
妻夫木「でもさ、俺がここに来たっていう意味は、わかるくない?」
俺 「暇つぶしだろ?ハハ」
妻夫木「てめぇも、意外と頭悪りぃんだな」
俺 「当たり前だろ。名前だけ、教えてやるよ。俺は、川原海斗だ」
こんな奴にビビってたまるか。
妻夫木「もしかして、銀何?」
俺 「お前も?」
こいつか、銀何高校?
妻夫木「あれかぁ。難波たちに喧嘩うったのってお前らか?おもろすぎるだろ」
俺 「あんなカスと一緒にすんな」
俺たちとチームTWOの戦いは、既に知れ渡っていた様だ。
妻夫木「おもしれぇ。俺は、『琉角』っていうチームにいる妻夫木だ」
俺 「今から、白黒けりつけようぜ」
妻夫木「てめぇ一人とやるわけねぇだろ。やりたきゃチーム連れて来い」
俺 「はぁ?ふざけんな」
妻夫木が何を言っているか、よくわからなかった。しかし、妻夫木は、俺を相手することなく、倒れた男を起こし、部屋から出て行った。