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史上最強の騎士クラブ




新学期が始まった。




早々に騎士クラブに行くと、新入部員が30名程増えていた。

勿論、語学クラブみたいに女子の入部は無いが、同じクラスの男子生徒もいて、庶民棟からの入部が沢山いた。



「 これ、絶対にレティ目当てだよな 」

エドガーがアルベルトに言った。


不埒なオス共めが!!!



レティが同じクラスの男子生徒と話してるのを見て、皇子様は排除の方向に決めた。



しかし

レティは、この30名と同時入部のタックルのノア君を、弓兵に鍛え上げようと決心した。


私と同じ様に鍛練して、皆で立派なアーチャーになろう!

レティは燃えていた。



そして、皇子様も燃えていた。

初めから過酷なトレーニングで音を上げさせ、退部させると言う荒療治をやるつもりだった。



斯くして、皇子様VS公爵令嬢の生き残りを掛けた戦いが、本人達の知らない間に始まった。



この新入部員30名とノア君とレティは、直接、皇太子殿下の指導を受ける事になった。

もう、これは名誉以外の何者でも無かった。



この様にして鍛え上げられた弓兵達が、魔獣討伐の最前線で活躍するのはもう少し後の話である。




「 皇太子殿下に敬礼 」

ただの部活がとんでも無い事になっていた。


全体の挨拶の後に、訓練が始まる。

皇太子殿下の護衛騎士達が、皇太子殿下の直ぐ側に立つ。

目指すべきものが近くにあると自然と力が入る。


後に、彼等も史上最強の騎士軍団になる事になる。




アルベルトは新入部員の32人の生徒達の前に立つ。

先ずは点呼からだ。

一人一人名前と顔を確かめながら呼ぶ。

皇太子殿下に名前を呼ばれてる…………

生徒達の緊張は半端無い。


「 リティエラ・ラ・ウォリウォール 」

「 はい 」

ああ、可愛い………

ギュッとしたい………

アルベルトは顔が蕩けるのを必死に我慢する。



「 以上の者は私が直接指導をする 」

「 はっ! 」


先ずは基礎トレーニングの柔軟からだ。

レティはノア君と組もうとするが、直ぐ様アルベルトがレティの手を取る。


余ったノア君はエドガーが相手をする様に指示を出した。

「 全く、いじらしいねぇ 」

エドガーがニヤニヤしていた。



レティと手を取り合って柔軟をしていたら、いつの間にか抱き締めていた。

「 殿下! それでは訓練になりません!! 」

レティは怒ると怖い。

「 ごめん、ごめん 」

………と、両手を胸の前に上げ、降参ポーズを取る。



「 こら!そこ!イチャイチャしない! 」

エドガーの声が飛ぶ。


たまに、甘酸っぱい妙な空気になる騎士クラブであった。




アルベルトは、不埒なオス共を過酷なトレーニングで排除しようとしていたが………

レティが特別扱いするなと、トレーニングに食らい付いて来る。

これでは愛しいレティを壊す事になると、泣く泣く断念した。



休憩中には

レティは仲間を励ました。

目を見つめ、一緒に頑張ろうと励ます。

不埒な31名は、それだけで幸せだった。

この高貴な美しい人と頑張り抜く事を誓うのであった。



アルベルトは不愉快だった。

レティが不埒なオス共を見るのも、見られるのも不愉快だった。

何とかして排除したかった………



自分が一番不埒な事をしてるのは棚に上げる皇子様であった。








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