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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第1章

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冒険者パーティー、武器屋に行く



兄のラウルとレオナルドも武器屋に行く事になった。



「 騎士、アーチャー、賢者が馬車を降り、『レティと愉快な仲間達』は出発した 」


エ「 何だよ、その弱そうな名前は……」

レ「今、思い付いたのよ 」


レ「 それより、お兄様が賢者っておかしくない? 私より成績が悪いのに 」

ラ「 賢者は頭だけじゃないんだ、策士かどうかだよ 」


エ「 それより、何で、縦歩きなんだ? 」

レ「 冒険者は縦歩きに決まってるのよ 」



「 旅の途中で旅の芸人が仲間になった 」


レオ「 おい、何で俺が芸人なんだよ 」

レ「 チャラいから 」


レオナルドがこっちを見ている女の子達に手をヒラヒラと振る。

キャーっ、女の子達がキャラキャラしてる。



「 道中、チャラい旅の芸人は女の子達に手を振った 」

レティのナレーションが入る。


レオ「 で………旅芸人の武器は何だよ? 」

レ「 ギャグよ、敵はゲラゲラ笑ってる………で戦意喪失させるの 」

エ、ラ「 ギャハハはは、ギャグ…………」

2人は笑い転げる。


レ「 駄目だわ、仲間も戦意喪失してるわ 」

レオ「 レティ、もっと格好良いのにしてよ 」




レティと愉快な仲間達はテクテクと歩いて行く………

兄達は、楽しんでレティの可愛い遊びに付き合っていた。




ラ「 ここに魔法使いがいれば完璧だな 」

レ「 殿下ね 」

エ、レオ「 レティ、お前アルの魔法を見たんだよな 」

レ「 雷が落ちたわ 」

ラ「 皇子で魔法使いだなんて………むしろ魔王だな魔王 」


ア「 何で俺が魔王なんだよ 」

一同が止まって声の方を見る。


紺のジャケットに共布で作った帽子を深く被り、貴族風に装ったアルベルトが前にいた。

長らく待っていたのだろうか………遠目に人だかりができていた。

どんなに変装をしようが、長身の美丈夫のオーラは隠しようがない。


「 遅かったな 」と言いながらレティに近寄って来た。


レ「 あっ……エド! 殿下には内緒にして言ったじゃない 」

ア「 そんな悪い事を言うのはこの口か!」

レ「 ごえんにゃしゃい 」

殿下に頬っぺを摘ままれた。



レ「 殿下、後ろに並んで下さい 」

ア「 で、何で縦に歩いてるんだ? 」

レ「 冒険者は縦に並ぶのよ 」


ラウルが、スマンと両手を合わせ、付き合ってやってと、眉を下げて目配せをしてくる。

アルベルトもクックッと笑いながらレティの言うとおりにする。

ラウル達3人は小さい頃から、たまに会うレティとこうして遊んでいたのだった。



「 旅の途中で、魔王が『レティと愉快な仲間達』に加わった 」


レティのナレーションで一行は歩き出した。

アルベルトは笑いが止まらない。


ラ「 魔王が味方にいるなら、何と戦うんだ? 」

レ「 敵は………ガーゴイル 」

エ、ラ、レオ、ア「 ガーゴイル?! 」



レオ「 ガーゴイルにギャグは通じないだろ? 」

皆は、レティの妄想力に笑った。



私の妄想であれば良いのにね………

レティの過去であり未来に起こるかも知れない魔獣襲撃にレティは震えた………



エ「 着いたぞ 」


「 冒険者パーティーは武器屋に着いた 」



レティのナレーションで、レティの可愛い遊びが終わった。

やりきったわ………レティは満足していた。

最近、『魔法使いと拷問部屋』を読んで、これをやってみたかったのだった。





「 邪魔するぞ 」 とエドガーが言うと

「 いらっしゃいませ坊っちゃん 」


………坊っちゃん………


「 小さい頃から来てるからな 」

エドガーが照れくさそうに頭を掻いた。

エドガーは騎士の家系である。




「 先程までグレイ坊っちゃんがいらしてましたよ 」





アルベルトは血の気が引いた。

ニアミスだ。



レティをみたら

キラキラした瞳で剣を手に取っていた。

店主の声は聞こえて無かったようでホッとする。



レティは剣を抜いて構えた。

周りが静かにレティを見ている。

綺麗な構えだ。

剣を鞘におさめる。


真剣を扱うのは学園を卒業し、騎士養成学校に入ってからだ。

だけど、彼女が剣の扱いに慣れている事は分かった。

この小さな娘は………何処で剣を習ったのか………



次は、弓矢のある所に彼女はいた。

弓を手に取っている。


足を開き、姿勢をただし、矢を引き、弓を構える。

綺麗な立ち姿に皆が見惚れる………

やはり、慣れてる…………



「 レティ、剣も弓も何処で習った? 」

ラウルも知らないのか、驚いて聞く。



「 ある人にね、後は内緒、聞いても教えない 」




グレイだ。

アルベルトは咄嗟にそう思った。


ラウルも知らない所で二人は会っていたのか………

嫉妬で気が狂いそうになる…………



ここで会ったらどうなっていたのだろうか………







******





私は弓矢の一式を購入した。

公爵家に送って貰う事にした。


よし、これを錬金術師に渡せば………



あっ………ヤバい、殿下がこっちを見てる………



「 レティ、僕に内緒にするのは後ろめたい事があるからだよね 」

「 虎の穴で、話をしようね 」



うわっ、怒ってる、怒ってる………




私達は武器屋を後にした。



改めてメンバーを見ると

皆、凄い美形だわ………

街の皆がキャアキャア騒いでる。


学園では見慣れた4人だけども………



殿下がいることもあり、街の騒ぎが大きくならないうちに退散する事にした。


兄が「うちに来るか?」………と言って

御一行様は我が家に来る事になった。


殿下は護衛騎士を呼び、何かを告げた後、護衛騎士は何処かへ立ち去った。


多分、我が家と皇宮に知らせに行ったのだろう。

皇族の不自由さを改めて認識した。



そうしてレティと愉快な仲間達は公爵家に旅立った。






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