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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第1章

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白の魔女と青の錬金術師





赤の10人の爺さんナイト達は、殿下と私の昼食にも同席した。



2人前の料理をばくばく食べていく殿下に目を細めながら

「霊長類のオスと言うものは………」

「人間は何時でも何処でも発情し………」

「食欲と性欲は…………」


赤の10人の爺さんナイト達が口々に論ずる。


「 止めなさい 」

殿下が少し蒸せながら呆れた様に制する。



今度は私の身体をじろじろみながら

「 妃様、いかん、いかん、その細腰では……… 」

「 子孫繁栄の為には妃様が……… 」

「 妃様は5人位は産んで頂かないと………… 」


赤の10人の爺さんナイト達は、私を皇太子妃だと思い込んでいて、私を『 妃様 』と呼んだ。



殿下は否定せず、ニコニコして機嫌良くしていた。



「 私、皇太子妃じゃありません、ただのリティエラですわ 」

赤の10人の爺さんナイト達は耳が聞こえないのか、私を無視して妃呼びを止めない。



「 この、もうろくジジイ 」…と小さな小さな声で呟くと

「 妃様、お口が悪うございますぞ 」

直ぐ様窘められた。


「 聞こえてるんじゃないの! 殿下、何とか言って下さい 」


殿下はクックッと笑いながら

「 じゃあ、午後からは執務に戻るよ 」

………と、上機嫌で帰って行った。



「 じゃあ、私も行きます、………何度も言いますが、私は皇太子妃ではありませんし、皇太子妃にはなりませんからね 」



「 なんと、殿下はまだお手をつけておられぬのか? 」

「 殿下は晩生でいらっしゃるのか? 」

「 是非ともワシの手管を殿下に……… 」



ジジイ達は論ずるのを止めない。




疲れる………

でも、殿下が居なくなって丁度良かったわ…………


私は弓矢の強度について、錬金術師と話したかったのだ。

殿下がいては秘密の話が出来ない。




今度は、青のローブ達のいる錬金術の部屋に入る。



大きなテーブルと椅子とソファしかない物理学の部屋とは違って………

そう言えば奥にはベッドが10台位あった。

あの爺さん達はあそこで何をしてるんだか………



錬金術の部屋は魔道具の道具が至る所にあり、実験中なのか燻る匂いがしたりして、ワクワクする。


錬金術師達は青のローブを着ている。



暫く見学していると


「 お待ちしておりました、ウォリウォール嬢 」

「ご機嫌よう、あっ、リティエラと呼んでください 」



「では、リティエラ嬢、弓矢の件ですが………」

彼の名はシエル、前に相談を持ち掛けていた人だ。


「 調べました所、遠くに飛ばすには……… 」

仕事の早い人は好きだ。

私は尻尾をパタパタと振る。


シエルは笑いながら

「 風の魔力を融合させれば、飛距離を伸ばせるかも知れません 」 と言う。


「 風の魔力………では、殺傷能力はどうなります? 」

「 やはり、魔力の中で一番の攻撃力のある雷を融合させれば……… 」


雷は殿下の魔力よね…………



「ただ、2つの魔力の融合はまだ、未知なるものでして……更なる研究が必要になります 」

……とシエルが言う。


「 有り難うございます、ちょっと希望が出てきました、私も色々と調べてみます 」




「 少しお聞きして宜しいでしょうか? 」

「 はい、何なりと……」

「 リティエラ嬢が、弓矢の強度を高める依頼をするのは何の為ですか? 」


やっぱり、気になりますよね。

「 詳しくは言えませんが………私が生き残る為ですわ 」




そう、全ては私が生き残る為に…………








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