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公爵家長男ラウルの妹




公爵邸に着き、ラウルの部屋に入った。

ウォリウォール家への訪問は初めてではないが、ラウルの妹と会うのは初めてだった。


ラウルの部屋は2間続きで、奥が寝室で手前がソファーとテーブルと広めの書斎机が置いてあった。


ソファーに座り、ウォリウォール家の侍女がお茶とお菓子を置いて下がって行ったので、暫くラウルとお馬鹿な話をしていると




フンフンと楽しげな鼻唄が聞こえてきた。




「只今戻りました~」


「お兄様!! お兄様!!」

「昨日話していた唐揚げをゲット出来ましたよ! 」



コンコンと扉を叩く音がしたと思ったら



「お熱い内にお食べになって! 」

「ほら!あ~ん!! 」



亜麻色の長い髪に、少しピンクがかった紫色の瞳を持った小さな少女が勢い良く飛び込んできた。

唐揚げを1つ袋から出し僕の口の前に差し出して来た。



自分を見つめていた瞳は、驚いたのか大きな瞳が更に大きく丸くなって自分を見つめていた。



長いのか短いのかわからない……ただ見つめあうだけの沈黙



差し出された白い小さな手には一口大の唐揚げがあった。

普段は、毒見をされてないこんな怪しい物を食する事はしないのだが、無意識に口に入れてしまった。



「うん! 美味しいね」



自分を見つめていた瞳は

驚いたのか元々の大きな瞳が更に大きく丸くなって自分を見つめていた。


更に更に続く見つめあったままの沈黙

やがて僕を誰だか気付いた様な気がしたが、奇妙な大変まずい顔をし、益々混乱をしている様だった。




「おい!! レティ!! お前! アルに何を食わしたんだよ???」

ラウルが驚いた顔をして言う。



それでもまだ何かを考えている。

若干悪そうになっていた顔はラウルに似ていると思ったら、笑えてきた。




「お兄様!!! ちょっとこちらに……………」



まだあどけなさを残した可愛らしい顔で、ラウルの腕を引っ張って寝室の影に消えた。


こっそりと覗いたら、なんと更に悪そうな顔で、無言でラウルの襟首をつかんでガタガタいわしていた。





「こら!! レティ!! 止めろ……く………苦しい」



「レティは初めましてだったかな? ラウルの友人のアルベルトだ」

「あっ! 僕もレティと呼んでも良いよね?」




こんな令嬢は初めてみた。

流石ラウルの妹だと思った。







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