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皇太子殿下のシークレット



私は物理のモーリス先生に呼び出された。



学園長室に入室する様に促され、部屋に入ると

そこにはアルベルト皇太子殿下がいた。

学園長とモーリス先生と……知らない人もいた。



スカートの裾を持ち、挨拶をした。

「 ごきげんよう、殿下 」

殿下はニッコリと笑った。



学園長

「 やあ、ウォリウォール君、待っていたよ 」



話を聞くと

皇立特別総合研究所に、私の希望通りに週1度だけ通う事が出来る様になったと言われた。



それは

才能や能力があっても、学生であるからと躊躇され、入所を辞退する事は実に勿体無く

本来ならば、若い才能や能力を開花させる目的の場所であらねばならないのに、もっと門戸を広げるべきである。


なので学園生活を優先しながら学生でも研究に関われる様にするべきだ。

…………と、皇太子殿下が文部大臣に進言したらしい。



………長い………

「 簡単に言えば『虎の穴』を学生でも通いやすくしたと言う事ですね 」



「『虎の穴』?」



「 はい、皇立特別総合研究所が長たらしい名前なので私が付けましたの 」

殿下がクックッと肩を揺らして笑いを堪えてる。





「『虎の穴』、素晴らしいネーミングじゃないか?!」

知らない人が手を広げ私に抱き付こうと近寄って来た。



殿下が私を殿下の後ろに隠すように、とっさに私の腕を引いた。



罰が悪そうにした知らない人は

「 失礼、私は『虎の穴』の所長でルーピンだ 」

あっ、『虎の穴』が早速採用されてる。



「ウォリウォール君のおかげでアルベルト殿下も入所してくれる事になってね」



聞くところによると

アルベルト殿下は幼い頃から魔力を備えており

『虎の穴』から、魔力を開花する為にも入所する様に懇願されて来たらしい。



「殿下は魔力を使えるのですか?」


「さあね、自覚した事は無いのだけど、昔から魔力があると言われて、『虎の………穴』から誘われていたよ」



「ねえ、このネーミング止めない?口にするのが恥ずかしいよ………」


「駄目よ、もう採用されたんだから」

「えっ?!採用されたの?」


2人でコソコソ話していたら………




感激を隠せない様子のルーピン所長が


「君が来るならと、殿下もやっと重い腰をあげてくれた」

「君には感謝しかない」

………と、また私に抱き付こうとしたので殿下が睨みつけた。




ルーピン所長は緑色の髪で黒い瞳、32歳で独身だそうだ。

魔法研究の第一人者だ。


虎の穴の所長は年配者を想像していたのですが………

こんな所の所長としては随分若いと思う。



「入所の手続きは後から所官を行かせるからね」





そう言われて

殿下と私は学園長室を後にした。





ふうん……なる程ね。

何事も仕組みを変える時は、決裁にかなり時間がかかるのに、こんなに早くあっさりと事が進んだのには、殿下が動いたからよね。



そう言えば殿下は皇帝に継ぐ権力者。

側にいれば、この先何かと利用のしがいがあるかも知れない。

  


「レティ、今、何か悪い事を考えただろう?」



 「………いえ、殿下って凄いなあ……と思いまして……」

あら………相変わらず鋭いわね…………




そう、殿下は剣の腕前も凄いと聞く。

エドが殿下に絶対に勝った事が無いと言っていた。

剣術大会でも何時も優勝してるらしい。

それなのに魔力まであるとは………



3度のどの人生でも皇太子殿下が魔力の持ち主だなんて聞いた事が無い。

シークレットかも知れないが………



ひょっとして…………

5年後に魔獣が押し寄せて来た時には、こいつ1人を鍛えに鍛え上げて魔王にでもしておけば………

もしかしたら、こいつ1人で討伐出来るんじゃね?




「おい、レティ、君は今、物凄く悪い顔をしてるぞ」




思案中の私は悪い顔を止めれなかった。





お昼休みに呼ばれたので

殿下は3年の教室に、私は1年の教室へと戻った。







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