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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第1章

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虎の穴への誘い



レティは悩んでいた。



最近ずっと悩んで考え事をしているのでハゲそうだ。

もしかしたら4度めのこの人生は、ハゲてストレスで死んでしまうのでは?


アハハはは………大声で笑った………はあ、笑えねー





新学期が始まって直ぐに教務室に呼ばれた。

呼んだのは物理のモーリス先生である。



「やあ、ウォリウォール君、皇立特別総合研究所に君の紹介状を送ったら、直ぐに研究員になれる権利を得たよ」



「是非とも研究員になって君の頭脳を我が国の為に役立てて貰いたい」

横にいた学園長が嬉しそうに言った。



「私がですか?」

おい、何勝手な事やらかしてるんだよ?!



「全教科で600点満点の学生なんか、見たことも聞いたことも無い、これ程の天才を見逃すわけにはいかない」


いや、あんたが100点を足さなかったら500点だったんだからね。

殿下だって500点だったでしょうが!




「考えさせて下さい」………と、取りあえずは保留にして貰った。



「良い返事を期待してるよ」

そう言ってモーリス先生はウィンクをした。

止めれ!




皇立特別総合研究所、またの名を『虎の穴』←(これはレティが勝手につけた)



『虎の穴』は我が国最高の頭脳を集結し、あらゆる分野の研究、実験を自由に出来る研究所なのである。



勿論、ここの研究員になると、研究に没頭出来る特権がある。

魔法や錬金術や、薬学研究や物理学の研究など、多才な才能の元に様々な研究が出来るのである。

それも、研究費だけでなく賃金まで出るのだ。





これは…………

5年後に来るべき疫病に対する特効薬を開発するチャンスでは?




でも、ここに行くとなると、今の楽しい学園生活が出来なくなる。

レティは、同じクラスのユリベラやマリアンヌ達とのお喋りや、学校帰りの寄り道を失いたく無かった。



料理クラブも楽しかった。

2年生になれば大好きなスイーツが作れるのだ。



もし、『虎の穴』に行けば

私の事だから、研究に没頭し、もしかしたら4度めは薬師として死ぬかも知れない………



ううう、あり得るから怖い…………





そして………

5年後に、全てをクリアして生き続ける事が出来たなら………



そんな未来の事もつい考えてしまう。

私は外交官になって他国に行く事を考えていた。


外国に自分のブランドのお店を持つのもありだわ………



これには、皇太子殿下と皇太子妃殿下の、幸せな未来を見たく無いと言う、何とも切ない想いが隠れている。



だから、語学クラブも続けたい。

何ならレオナルドに家庭教師になって貰って、もっと多くの他国語を習うのも良いかもと思っているのだ。




何より、1度めの人生で、あの船の甲板であの人が何を叫んでいたのかを知らなければならない。


そして私は何を渡されたのか…………

それを持ちながら海に突き落とされたのだ。


それからの事は、2度めと3度めの人生の中で知った、船が沈んだと言う事しか知らない。


あの後何があったのか…………




そう言えば

あの時、殿下もあの場にいたのに、海に落ちた私を助けてはくれなかったのよね。………シクシクシク………


今度は助けてくれるかなあ……




それに…………

魔獣を討伐する為に弓矢の練習もしたいし

弓矢で最前線で戦う為にも騎士団に入隊する必要がある。

その為には騎士クラブにも入部したい。





ううう………何で、災いが1度に来るかなあ………


やりたい事、やらなければならない事が多過ぎて

何から手をつけて良いのかも分からない。




だけど………『虎の穴』に行けるなんて………

ここに行く事が運命なんだろうか…………








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