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父の願い





帰宅の馬車の中でルーカスは

楽しげに話してる妻と娘を見ながら耽っていた。




執事のセバスチャンから、レティの様子がおかしいとの一報を貰ってから、妻とラウルを直ぐに領地に向かわせた。



一足先に帰宅したラウルから

皇太子殿下が館に来ていて、レティを好きだと言っていたと言う報告を受けた。


殿下は、公務で視察に出る為の許可を、陛下に直談判しに行ったと言うのは聞いていて、何故あの様な場所に急に視察に出掛けたのかと不思議に思っていたが………



本命はレティだったか………



やっぱり、レティの様子がおかしい原因は殿下だったのかと項垂れた。

殿下は一体私の娘に何をしたのかと苛立ったが…………



ラウルが殿下に、レティに何かをしたのかと尋ねたら

身に覚えが無いと仰っておられたらしい。

そんな2人は楽しげで、レティは元気だったそうだ。



それにしても

殿下の、レティ好き好き光線は見ていられなかったと言っていた。




領地に着いてから妻にも問うと

それはそれは仲睦まじく、お似合いの2人で

近い内に正式に申し込みがあるかも知れないわね、と浮かれていた。

母親と言う者は、あまり深くは考えないらしい。




執事のセバスチャンに聞いたら

暗かったレティが、殿下がいらっしゃったとたんに明るくなり、笑い、食欲も出てきたと言っていた。


殿下のおかげだと涙していた。

殿下が来てから、丸2日間眠り続けた事から考えても、かなりレティは衰弱しきっていたらしい。




2人の仲は良好だといえる。


じゃあ、レティは何に悩んでいたのか?

食事も取らず夜も眠れない程に………




そう思っていた矢先に

レティが馬を飼いたいと言ってきた。


滅多におねだりなんかして来ないレティのおねだりが嬉しくて了解したが………


何故、馬?


年頃の娘の考えてる事は父親には理解出来ない。




それよりも

殿下はまだレティには思いを告げていない様だ。

レティもまんざらでは無いものの、かなり戸惑っていると言う感じらしい。


そりゃあそうだろう。

皇太子殿下から言い寄られているのだから………




問題は………皇后だな。


皇后は既に、皇太子妃選びに全力を注いでいる。

立太子の礼で、各国に殿下がお披露目されたので

婚姻の申し込みが殺到している。

あの殿下だ。当然だ。



皇后が暴走をしなければ良いが………

あのお方は思い込みが激しい。




母親に甘え、無邪気に笑うレティを見ていると

この娘だけは絶対に傷つけたくないのだと………


帰宅する馬車に揺られ

ただただ、娘の幸せを願う父、ルーカスなのであった。

















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