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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第1章

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兄の願い




心配で心配で

一刻も早くレティの側に行きたい母の懇願で

まだ夜明け前から宿を発った。


館に着いたらクラウドが居た。

アルが来てると直ぐに分かった。



川に行くと

楽しそうな2人が居た。


レティが笑ってる。

ちょっと痩せた様だが笑っている。

これはアル効果なのか?



この2人の関係は何なんだ?

アルがレティを好きだと言う事は気付いていた。




確かめねば………




「 アル、ちょっと俺の部屋に来てくれ 」

アルベルトはラウルの後を黙って付いて行った。



「 レティが悩んでる原因はお前じゃ無いのか? 」

「 ………………? 」

「 ここに来てからレティの様子が変だったと言うのはさっき話したとおりだ 」



「 お前、レティに何かしたのか? 」

「 いや、まだ何もしてない 」

「 ………まだだと? 」




「 レティを好きか? 」

「 ああ……… 」

「 本気か? 」

「 本気だ、俺はレティを好きだ 」




「 なら良い、レティを泣かすなよ 」





兄として彼の幼馴染みとして

これしか言う事が出来なかった。



我が国の皇太子殿下と

我が国の筆頭貴族である公爵家の令嬢。

そして我が父は皇帝の側近の宰相である。


身分的にも最高の良縁だ。

これ程素晴らしい関係以外を望むなら、お相手は他国の王女ぐらいだ。



最近の2人の関係は見ていて微笑ましい。

2人で真っ赤になったり

レティの料理クラブの帰りに待っていたり

特に、アルのレティを見る目が

熱く甘ったるく、恋する目なのでこっちが恥ずかしくなる位だ。

多分、エドガーもレオナルドも気付いているだろう。




ラウルはアルベルトが好きだった。

皇子としても人としても………

アルベルトは良いやつだ。

大事な妹でも任せられる器だと思う。


ただ1つ、彼がこの国の皇子と言う事を除いて………

アルが、エドやレオの立場なら良かったのに………

………と何度も思った。




レティはどうだ?

レティもアルに好意を持ってる事は確かだ。

明らかにエドやレオに対する態度とは違う。


まあ、アルは皇子なんだから

違って当たり前なんだが…………



立太子の礼の時に

バルコニーに出て来たアルを見て

こっそり泣いていたのを知っている。



俺が感じた様に

レティも何か思う事があるのかも知れない。




レティはまだ15歳だ。

この15歳の少女に

今、我が国の未来を見させるのは酷である。



しかし

皇帝命礼でアルベルト皇太子殿下とウォリウォール家の令嬢の婚姻が決まる事もあり得る。

いくら、父が抗っても

皇帝命令が下れば従うしかないのである。




どうか………

レティもアルを好きになる事を祈ろう。




アルベルト皇太子殿下!

皇帝命令なんかに頼らず、正々堂々と我がウォリウォール家の令嬢を口説き落としてみせろ!




兄として

妹の幸せと

友の幸せを願わずにはいられない。






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