閑話─皇子様を皆が大好き
ちょっと小話です
話しは少し遡る事になります。
街が立太子の礼の祭りで賑わっている頃
私はユリベラとマリアンヌと街に繰り出してお祭りを楽しんでいた。
何時ものカフェでは、夏限定のグレープフルーツのパフェを3人で食べた。
勿論、春限定の野苺のタルトもちゃんと食べましたわよ。
今ではすっかりこの店の常連だ。
「 何時も美味しそうに食べてくれるお嬢ちゃん達には特別にオマケ 」……とウィンクをしながら皇子様キーホルダーを貰った。
この赤毛の兄ちゃんのウィンク攻撃はどうかと思う。
ユリベラとマリアンヌはキャーっと喜んでいたけど………
キーホルダーには皇子様の似顔絵が書かれていたが………これはビミョーだった。
雑貨屋さんでは
色とりどりの皇子様マグカップがあった。
カップの内側の底に皇子様の可愛い似顔絵があって
飲み終わったら皇子様の顔が現れると言う人気商品だった。
これは可愛い。
因みに皇子様クッションも試作したけど
皇子様の顔をお尻で踏むのは不敬罪になるかもと泣く泣く諦めたらしい。
私は試作品でも良いから欲しいと店員さんに詰め寄ったら
試作品は既に処分したと言う。
残念です。
マグカップは私の分と父母と兄の分の4個買った。
マリアンヌ達も幾つか買っていた。
翌日の朝食の時に、このマグカップに紅茶をいれてあげたら
皆がこのマグカップの出来に驚いていた。
可愛い可愛いと、なんとラウルも気に入っていた。
父が
皇帝陛下にこのマグカップを見せたらしい。
皇帝陛下は大層お慶びになって、皇后陛下の分と注文が2個入ったのには驚いた。
翌日、侍女のマーサを連れてお店にお買物に行って、次いでにエドとレオの分も買ってしまった。
売り切れる前で良かった♪
エドガーとレオナルドへのマグカップは皇宮に行くラウルに渡して貰ったのですが
彼等は「 スゲーっ 」と騒いでいたらしい。
今頃、皇帝陛下も皇后陛下も………皆、使っているのかな♪
そして………
現れた可愛い皇子様に皆がほっこりするのであった。
皆が皇子様を大好きだった。
アルベルト皇子には内緒の話。