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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第1章

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アルと呼ばない理由



料理クラブでは

今日はスープを作った。

お野菜も自分達で切ってベーコンやコンソメも入れて………

ようやく、料理らしい料理ができた。


1年生は基本的な事を学び、2年生はお菓子作り、3年生はメインディシュで4年生は創作料理らしい。

4年間真面目にやると、もしかしてシェフになれるかも知れないと思う。




終わって

ドアを開けたらアルベルト殿下がベンチに座っていた。

胸がキュンとした。



雲の上にいた人がここにいる………

何だか妙な感じだ………



「 レティ、お帰り、ずいぶん久し振りだね 」



立太子の礼が終わって学園で時折姿は見掛けたりしたが、

会話するのは誕生日の日にプレゼントを持ってきてくれた以来だ。




言葉が出て来ない………

暫く黙って見つめあって………



「 お久しぶりです。皇太子殿下。立太子の礼おめでとうございます 」

スカートの裾をチョンと持ってお辞儀をした。



頭の後ろでアイスブルーの宝石がキラキラと光った。



「 あっ………着けてくれているんだね 」

殿下は嬉しそうに髪留めをみつめていた。



殿下から誕生日のプレゼントに貰ったバレッタは何時も着けていた。



「 有り難うございます。あの……とっても気に入ってます 」

えへへ~と笑ったら


「 うん………凄く似合ってるよ 」……と、殿下は満足そうに笑った。




殿下の瞳の色と同じ色の宝石を女性に贈る事の意味。



暫くは考えない様にしよう。

だって私はまだ15歳になったばかりなのだ。

気付かないふりをしていても良い筈だ。





並木道を2人で並んで歩く



「 今日は美味しそうな匂いがしてたね? 」

そう言えば殿下は何時からベンチに座ってるのかしら?


「 ウフフ……今日はなんとスープを作りました 」

「 これは正真正銘お料理ですよね? 」

「 お兄様にご馳走出来ますよね? 」


「 じゃあ、その時は僕も呼んでくれる? 」

「 ええ!勿論ですわ 」



何時もここで待ってて下さっているものね。

何故待っててくれてるのかは知らないが…………

頼んでもいないが………

私はすごーく義理堅いのだ。




「 あっ!!語学クラブでレオが教えてくれたピーとかピーって言ったらお兄様が真っ赤な顔して怒るんですのよ 」


「 ピーとかピーってどう言う意味ですの?レオは魔法の言葉だと言っていましたのよ?殿下は知ってます? 」



殿下はブッと吹き出した。

困った様な顔をした。



困った様な顔………アザース!!!




「 ねえ………レティは何時になったら僕の名前で呼んでくれるのかな? 」

話をそらされた。




絶対に呼びませんわ




愛称呼びは親しい仲だけに許されるもの。

何時か大切な女性が出来る殿下を、そんな呼び方をしてたら

呼べなくなる時が惨めじゃないですか………


これは私の3度の人生の矜持。



「 それより、ピーとかピーって意味は何なのですか? 」


「 お願いレティ、連呼しないで 」

殿下が額を押さえた。

どうしても言えないらしい……




よし!答えたく無い質問には質問返しだぜ!

誰も教えてくれない魔法の言葉のピーとかピー………恐るべし。






沢山のブックマーク有り難うございます。

楽しく読んでくれたら嬉しいです。

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