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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第2章

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閑話─公爵令嬢の店

小話その4です。



レティが錬金術師シエルと、劇場に魔道具を設置しに行った時の話です。



あのニヤケた支配人が

アルベルト皇太子殿下とイニエスタ王国のアリアドネ王女が、観覧に来ている事をマイクで観客に紹介した後、オペラの劇が始まった。



レティは、自分が着用しているドレスを女優達に見せる為に楽屋に入った。

劇場の楽屋に入れるこのチャンスを見逃す手は無かった。

商売するには固定客が必要不可欠で、豪華なドレスを必要とする彼女達とは、この先懇意にしておきたかったのだ。



シエルが着せてくれた白のローブを脱ぎ

「 失礼致します、先程、舞台でライトのテストをしていた者です 」


そう言って楽屋に入って行ったレティを見るなり、マネージャーらしき人に

「 貴女、凄く綺麗……女優にならない? 」

……と、スカウトされた。


あら?本当、凄く綺麗だと言われ、出番待ちの女優さん達にも囲まれ、しつこく勧誘されたのだった。



「 貴女の舞台映えも良かったわよ~、そのドレス良いわね、キラキラ輝いて……… 」


「 はい、このドレスは舞台用に作っていて……角度も計算されて………」

「 アハハは、説明はいらないよ……あたしら頭が悪いから、ドレスはゴージャスでキラキラしてるだけで十分よ 」


「 でも………胸元はもっとがっつりと開けてね 」

レティの胸をジロジロ見ながら言った。


「 スミマセン……モデルのスタイルが悪くて……」

ギャハハハ、胸は男に揉んで貰ったら直ぐに大きくなるわよ……と、爺達顔負けのエロい事を言われて、レティは顔が真っ赤になった。


「 キャア~この娘可愛いい~ もう、食べちゃいたいわ~」

私のものよとギュムギュムと、お姉さん達に抱き締められたレティだった。

お姉さん達……胸がデカいわ………



デザイン画を見せながら注文を取り、マネージャーさんに名刺を渡した。


貴族相手なら、完全オーダーメイドでガッポリとお代を頂戴する所なのだが、彼女達は平民なので、安くて済む既製のドレスに、ゴージャスさとキラキラさをプラスすると言う話を勧めたら、すんなりまとまった。


お代は前金と、出来上がり時の支払いの半々にした。


「 有り難うございまーす 」

人たらしレティは商売上手だった。



「 それにしても……皇太子殿下は良い男よね……そりゃあ、あれだけ素敵ならモテルわ……」

「 今度は王女様とよ……ここに来るのはこれで3回目だね 」


はい……2回目は私なんです……

そしてお姉さん達……寝てしまってご免なさい………

小さいレティが余計に小さくなるのであった。




フフフ……女優にスカウトされちゃった……


注文も沢山取れて、白のローブを着たレティが、ホクホクして劇場を後にして直ぐに、アルベルトがレティを探しに来た事は、レティは知る由も無かった。




店に着くと、マーサが待っていた。

店の事はマーサしか知らせてなく、父母にはまだ内緒だった。

それは、レティがまだ学生であるから……


1度目の人生で店を持ったのは、学園を卒業してからだったが、その経験があるからこそ、こんなに早くに店を持てたのである。



店のオープンは秋ね………

それまでに沢山デザインして、沢山私のブランドドレスを作らないといけないわ………



「見ないようにしていたのにね………」

レティはポツリと呟いた。


目に焼き付いたアルベルトと王女の姿を忘れようと、レティは懸命に店の仕事に没頭するのであった。








次話より本編に戻ります。



読んで頂き有り難うございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 閑話も楽しいんですけど、それよりももっと本編、待ち遠しいです。
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