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4度めの人生は 皇太子殿下をお慕いするのを止めようと思います  作者: 桜井 更紗
第2章

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王女、ざまあ!



アルベルトは、レティを離さなかった。

皇子として、王女のエスコートをしなければならないのに、ずっとレティを側に置いていた。


社交界に正式にデビューしたレティへの、大人の男達の視線が異常に熱かったのだ。



突然現れた、我が国筆頭貴族の公爵家の令嬢の美しさは際立っており、まだあどけなさが残る可憐な少女に彼等は心が奪われていた。


また、彼女の父親が我が国の宰相なのである。

身分としても、申し分が無かった。


そして、彼女の持ち前の天真爛漫さが、より大人の男性陣の関心を誘ったのだった。




皇太子の俺が彼女の側にいるのにも関わらず、レティにダンスを申し込みたいと、熱い視線を送り続けるオス共。


あの、大人のオスの卑猥な手が、レティの細い腰に回されるなんて、死んでもごめんだった。

あの、いやらしい息が、レティの白いうなじにかかるなんて………考えただけでも殺したくなる。



レティの全身を俺の瞳の色で飾り、俺の女だと示しても、大人のオス共には関係が無いようだ。


ここに来て、ルーカスがずっとレティを表に出さなかった意味が分かった。

それ程までに、レティの存在は際立っていた。

アルベルトはルーカスに感謝した。


これからはオレが守る! 皇太子の名に掛けて………




公務をほったらかしにして、公爵令嬢といるアルベルトに、

両陛下の視線は暖かかった。


王女には、皇后陛下が相手をしていた。





しかし、アリアドネ王女は腸が煮え繰り返っていた。


二人を見ていたアリアドネ王女は、ギリリと爪を噛んで、凄い形相でレティを睨み付けていた。


前回来た時には、確かにアルベルト皇子はワタクシに好意を見せてくれていた………

私の言う事は優しく微笑みながら何でも聞いてくれて、食事も共にし、ずっと一緒に居てくれたのに………



たかが公爵ごときが、王族の恋を邪魔をするなんて、許しがたい思いだった。


絶対に許さないわ………

アルベルト皇子に相応しいのはワタクシしかあり得ない。

身分の違いを思い知らせてやりますわ!

ワタクシは王女なのだから………





そんな王女を、嘲笑うかの様に見ていたのは、昨年の建国祭の時の舞踏会でのデビュタントで、王女達に煮え湯を飲まされた、ジラルド学園の3年生の女性徒達であった。


自分のパートナーと踊り、楽しく過ごせる筈のデビュタントで、他国の王女や貴族が、我が国の皇子様に纏わりつき、下品な甲高い甘えた声で皇子様にベタベタしてる姿は許しがたいものがあったのだ。


そして、貴族女性達に蔑む様な態度を取り続けたのが、この王女だった。


シルフィード帝国には皇女は居ない。

独身女性で、最も位の高い女性は公爵家のレティであった。




やはり、リティエラ様だ………



皇子様と楽しげに踊るレティに、彼女達は嬉し泣きをしていた。



王族にひけを取らない際立つオーラ。

そしてあの美貌。


今日のリティエラ様は、誰よりも美しかった。



何より 皇子様がリティエラ様を愛しているのだ………

リティエラ様の衣装は、全て皇子様の瞳の色。

これは、皇子様の愛の深さを感じずにはいられない。



それに………

王女を無視して、リティエラ様とずっと一緒にいる皇子様………




王女、ざまあ!




………と、二人が堂々とイチャつく様は、我が国の誇りだと彼女達は思った。




学園では、レティの庶民棟からの人気は絶大だったが、貴族の人気も高かった。

彼女の気質の素晴らしさは勿論の事、悪役令嬢を皆の前でやってのける度胸、公爵令嬢なのに騎士クラブに入部してる男前さは、ファンにならずにはいられない。


レティは男性生徒だけではなく、女性生徒からの人気が高かったのである。











読んで頂き有り難うございます。

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