表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/641

閑話━あの、令嬢の話

小話その1です



アルベルト皇太子殿下とのデートが決まりましたわ。



両親、一族が大喜び。

「 殿下は、うちの娘の美貌にメロメロかもしれないね 」


何処の親も親バカである。



ワタクシは、皇后陛下主催の夕食会で、皇子様に見初められたのかしら………

それとも、隣のクラスのワタクシに想いを寄せていたのかしら………



そりゃあ

ワタクシの美貌と、この肉体美なら、皇子様が恋に落ちても仕方ないかもね…………


「 オーホホホ」




皇子様が馬車から下りてくるわ……

ああ、笑顔が眩しい………

なんて素敵な皇子様なの………


「 殿下、この度はお誘い頂きまして有り難うございます 」


殿下はニコリと笑って

「 ご令嬢、お手をどうぞ 」

と、手を差し出してくれた。


キャア~………ドキドキドキドキ………

でも………殿下が手袋をしてるのが残念だわ………




手を取り合い、劇場までの階段を上る。


ああ……大勢の護衛達に囲まれて………

今、ワタクシはお姫様…………



ふと、横の殿下を見ると、何だか様子がおかしい………



ホールに着くと、支配人やスタッフ達がニコニコと出迎えてくれた。


殿下はワタクシの手を離し、支配人からの挨拶を受ける。

そして、案内のスタッフに続き、そのまま二階へ上がりだした。



あら? エスコートはここまでなの?

そうね、大勢の前だから照れちゃったのかしら………



カーテンを開けると、そこはロイヤル席。

まあ、カップルシート………

ドキドキドキドキ………



でも、殿下はその後ろを通りすぎ、

「 どうぞお座り下さい 」

………と、一人掛けの椅子にワタクシを座らせ、殿下も横の椅子に座った。



そうよね、初デートでいきなりカップル席は無いわよね。

でも次は、カップルシートに座りたいわ………



そうして、ワタクシと殿下のデートはあっけなく終わった。

オペラは凄く面白かったけれども………

前に他の殿方とデートした時の方が楽しかったわ………



皇太子殿下って案外つまんない。




でも、

ワタクシに恥をかかせたあの令嬢には自慢したい。

最近殿下と仲良くしてるみたいですものね………




だけど………

彼女は悪役令嬢で人気者になった。



悪役令嬢は、彼女の様な、大きなまあるい目の可愛らしい顔じゃ駄目なのよ。


ワタクシの様なつり上がったきつい目、ツンと高い鼻、豊富な胸の持ち主こそが相応しいのよ。

あんな、スレンダーな身体じゃ………フッ、まだまだね。



ワタクシは悪役令嬢に憧れた。

庶民の店にこっそり行って、豪華な扇子を買った。

家で練習をしたが、大勢の前で「オーホホホ」は出来なかった。



ワタクシはリティエラ様に憧れた。

あの度胸は並大抵の者ではない。



学園祭では、悪役令嬢喫茶をすると言うリティエラ様のクラスを覗きに行った………



大勢の男達に土下座をさせ、横では鞭でバシバシやっていた。


「 オーホホホ、ワタクシの前に、ひれ伏しなさい 」


髪は縦ロール、扇子で口を隠し、腰に手をやり仁王立ちで立つ彼女がいた。



ああ…………

これぞワタクシの求めていたもの…………

彼女のクラスは、来年も悪役令嬢喫茶をやると言っていた。



来年は、是非ともワタクシも参加出来る様にお願いしたい。




この令嬢は

誰もが恋するアルベルト皇太子殿下には、差ほど興味は無かった。


格好いいけど、タイプじゃない………

十人十色である。



今や、リティエラ・ラ・ウォリウォール公爵令嬢を崇拝していたのである。








アルベルト殿下が、オペラデートの話を思い出したので、

そう言えば………

……と、レティにやっつけられた彼女を思い出しました。


この令嬢、名前はあったのかと過去の話を探しましたが、何処にも名前は出て無かったので、敢えて書かない事にしました。


でも、私のマル秘メモ帳にはちゃんと名前があったんですよね。

次に登場するかは分かりませんが………



読んで頂き有り難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ